初代素数王の備忘録

KA4T6X|X=9(カステラくん)は素数。

【マスプライム杯2020】1回戦 カステラ-コロちゃんぬ (自戦記)

9月26日に開催された素数大富豪マスプライム杯2020オンライン予選の自戦記です。2回戦(対はちさん)と合わせて連投する予定なのでよろしくお願いいたします。

マスプライム杯は以前の記事で紹介した通り、2016年から2018年の「Mathpower杯」、2019年の「マスパーティ杯」の後継となる素数大富豪大会で、素数大富豪界で最大のものとなっています。
今年は新型コロナウイルス感染症の感染拡大の懸念から大人数での集会ができないため、このような大会の開催が危ぶまれていましたが、「オンラインで予選を行い、勝ち残った8人と運営のみでオフラインの決勝トーナメントを行う」という形で開催することになりました。

オンライン予選は素数大富豪オンラインを使って行われました。参加者は素数大富豪オンラインにログインした後、運営に指定された部屋で対戦します。対戦はZoomミーティングによって参加者内で共有されるほか、参加しない観戦者に対してはYouTube Liveにて配信が行われました。なるべくオフラインの対戦に近い状態で行う(先手・後手を交互にもつ、1分間のシンキングタイムを設ける)ために手番の取り扱いに関して素数大富豪オンラインでの通常のゲーム進行とは異なる部分がありましたが、大きな混乱は起きませんでした*1

オンライン予選には32名が参加しました。各4人からなる8つのブロック(A~H)に分かれ、各ブロックのトーナメントを勝ち上がった8人が決勝トーナメントへの出場権を得ます。対戦カードは予選当日に発表され、私はFブロックに割り振られました。Fブロックの他のプレーヤーは以下の通りです:

  • コロちゃんぬさん: 東京都内で高校数学教師を務めながら、趣味で数学のブログCorollaryは必然に。を執筆している。ロマンティック数学ナイトの講演者(ロマンティスト)*2素数大富豪大会には第2期Mathpower杯(2017年10月)から出場。せきゅーん杯(2018年1月)では予選リーグで私に2-0で勝っている*3
  • 完全数さん: 東京理科大学素数大富豪同好会所属。素数大富豪大会には第3期Mathpower杯(2018年10月)から出場。第2期蝉王戦(2020年7月~進行中: オンライン)では予選参加者でただ1人の6戦全勝を達成。過去に私との対戦はないが、第2期蝉王戦の決勝トーナメントで私がきのこさんに勝利すると完全数さんとの対戦が実現する。
  • はちさん: 北海道大学素数大富豪同好会所属。素数大富豪大会には第1期蝉王戦(2019年7月~10月: オンライン)から出場。札幌杯・ライト級(2020年2月: 一部オンライン)で優勝(タイトル: Jack)。私との対戦は過去に2度あり、セットによる通算成績は3勝3敗。

私とコロちゃんぬさん、完全数さんとはちさんがそれぞれ戦い、その勝者同士が対戦。その勝者が決勝トーナメントに進出します。

配信の画面では左で完全数さんとはちさんの対戦を実況とともに放送するなか、画面右で私とコロちゃんぬさんの対戦が始まりました。

1本目(3:40:43~3:43:44*4 )

私の初期手札:(A334677TJQK)
私が1本目の先手を得る*5。初期手札を目にした瞬間に4336が揃っていることに気づく。433677QKTJが素数だったような気がするが(実は素数)自信がなかったので他の手も考える。5枚出しなら勝負手は7KTQJで少し心許ないな*6と考えながらシンキングタイム終了。

1. カ:D(T)764QT3TK
2. コ:D,%
手番の時間になって私はすかさずドロー。Tを引く。絵札が5枚になりKTTQJが出せるが、残りがすぐには組み切れずさらに別の手を模索。T3TK(T3TA3とみたら「富田さん」)素数*7をこのところ復習していたこともあり、764QT3TK→A37Jで自信ありと勝負に行く*8。コロちゃんぬさんはドローするものの絵札が足りなかったのかパスを選択。

3. カ:A37J#
残りを出して上がり。

先手の優勢を活かして幸先よく1勝。

2本目(3:44:49~3:51:22)

私の初期手札:(245678JJKKK)
1桁は偶数ばかり、絵札はJとKだけのアンバランスな初期手札。3枚出しなら最大素数KKJがあるが残りで組み切るのは大変そう。今後のドロー次第かな。

1. コ:D,Q7
2. カ:D(3)JJ=8K*7K*5K*63,P10
1手目、コロちゃんぬさんはドローののち、時間いっぱいのところで2枚出し。こちらにはTKもQKもないのでこのままだとコロちゃんぬさんが優位に試合を進めることになりそう。状況はドローでも変わらず、合成数出しカマトトで手札を増強する*9

3. コ:T=2*5
4. カ:D(?)K
5. コ:%
コロちゃんぬさんは1枚出し。こちらは合成数出しカマトトで手札を増やしたもののジョーカーが1枚もないので、コロちゃんぬさんが持っている可能性が高い。Kを出してジョーカーを出させようとする。ところがコロちゃんぬさんはパス。ジョーカーはコロちゃんぬさんの手札にもなく、山札に眠っているのかもしれない。

6. カ:D(?)43A
7. コ:D,829
8. カ:KKJ
9. コ:D,%
私はドローして手札は23枚に。A~9がすべてあって9が3枚あることからJA23456788999の13枚出しを見つける*10。他にKKJがあるので3枚→相手→KKJ、JA23456788999、残り(4枚)で上がりという出し方が有力。組み切って3枚出しから出発。無事にKKJまで進む。

10. カ:JA23456788999
11. コ:D,%
そして13枚出し。コロちゃんぬさんはドローしても手札が7枚なのでパスする他ない。

12. カ:46TJ#
残りを出して上がり、2回戦進出を決めた。

初期手札の3枚のKがうまく活用できたのがよかったと思います。

*1:規定に従わなかったことによる反則負けが1回発生したのみ。

*2:プロフィールについてはコロちゃんぬ | ロマンティック数学ナイトを参照しました。

*3:5枚出しがほとんど知られていないころに369QKを出されたり、絵札が枯渇したところを1枚出しで攻められたりしました。私は予選リーグをセット差でギリギリ通過。その後決勝トーナメントを勝ち上がって優勝したのでした。(回想終わり)

*4:時間はアーカイブにおけるこの勝負の放送時間です。配信(YouTube)

*5:シンキングタイム中、画面には「コロちゃんぬの手番です」と表示されていますが、1本目は素数大富豪オンライン上でランダムに決まった最初の手番の1分間をシンキングタイムとして扱い、時間が切れて手番になる人(私)が先手としてゲームを始めます。

*6:他に出しようがなかったらこれで行く、くらい。

*7:実はちょくちょく出しています。たとえば3TKさんと対戦したときには2戦連続で出しました。【HNP杯】予選 3TK-カステラさん - [素数大富豪]3TK's blog

*8:なるよクイーン富田さん(764QT3TA3)→子泣き爺(K7J)なのでKとA3が逆ですね。

*9:札幌杯で「合成数出しは(故意に間違える場合でも)各素因数は場の数より真に小さく、かつ素因数場の計算結果の一の位と場の一の位が一致していなければならない」というルールが設けられていたのでここでもその規則に従いました(素数大富豪オンラインではそのような規則はないですが)。12枚全部にしなかったのは枚数が少ないほうが上がるスピードが若干早いかなと思ったからですが、単にうまく規則に合わせて出せなかったのもあります。

*10:九連宝燈という麻雀の役に倣った素数。1112345678999に1~9のどれか1つを加えた形で、昇順に並べたときに素数になるのは3を加えた11123345678999と8を加えた11123456788999の2つ。