初代素数王の備忘録

KA4T6X|X=9(カステラくん)は素数。

【マスプライム杯2024】【マスぴよ杯2024】数譜

9月15日に行われましたマスプライム杯2024・マスぴよ杯2024*1の数譜(放送されたものに限る)を当ブログで公開いたします。nishimuraさん制作の数譜再生くんなどで分析を行いたいときにどうぞ。

本稿の執筆にあたり、マリンさん・さしみさんの両名には採譜の多くを担当してくださるなど大変お世話になりました。この場をお借りして御礼申し上げます。

過去の大会(マスプライム杯2020・2021・2022・2023/Mathpower杯2022)の数譜
graws188390.hatenablog.com
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数譜の見方

数譜の書き方は私が2018年に提案した「標準的数譜」に従っています。詳しくはこちら。
graws188390.hatenablog.com
ただし、以下に注意してください。

  • プレーヤーを表す記号は頭文字を採った。
  • パスは「%」、手番の時間切れによる強制パスは「%%」で記した。
  • ジョーカーを一度に2枚使った場合、ジョーカーは2枚とも「X」で表し、ジョーカーが担ったカードについては左から順に現れた順に書いた。たとえば「XKTTTQX|X=K|X=J」は一番左のジョーカーをK、一番右のジョーカーをJとしてKKTTTQJを出したことを表す。

数譜の「第○セット」の部分はリンクになっており、マスプライム杯2024の動画(編集版)のそのセットの最初に飛びます。
開会式
マスぴよ杯2024決勝・直前インタビュー
マスプライム杯2024決勝・直前インタビュー
閉会式

準々決勝

アベ-はち

第1セット
は:(AA233589TJJ)
ア:(AA3447TTJQQ)
は:D(9)8AJ
ア:D(5)QT7
は:D(5)2TJ
ア:D(5)3TJ,P(46K)
は:A593593#

第2セット
ア:(A2557899TJQ)
は:(A23447JJQQQ)
ア:57[GC]
ア:D(6)9T8A
は:D(2)QQQJ
ア:D(A)%
は:D(6)24A24J367,P(235789JXX)
ア:D(9)A5699QJ,P(4588TTK)
は:9876432A
ア:D(7)%
は:42J
ア:98J
は:XXJ|X=K|X=K
ア:%
は:233#

マリン-もりしー

第1セット
も:(A344456667K)
マ:(2289JJQQQKX)
も:D(K)666444A573K,P(AA2388TTJJQ)
マ:D(5)J2J2Q5QXQK89|X=6,P(233567799TTX)
も:D(4)57[GC]
も:6A33
マ:D(8)T889
も:%
マ:D(K)57[GC]
マ:KXKQ=2*2^3*3*27X569|X=K|X=3
も:%
マ:9QTQJJ#

第2セット
マ:(A2456789JQX)
も:(A445567799J)
マ:XQ=2^5*4A|X=K
も:D(3)%
マ:J6789#

カステラ-nishimura

第1セット
n:(A234579TTQK)
カ:(AA27TJJQQKK)
n:D(X)X9432QTTK|X=4
カ:D(J)KKJQA2QTJ
n:D(8)%
カ:JA7#

第2セット
カ:(23578TTJJKX)
n:(AAA5567TQQK)
カ:KJTXTJ|X=Q
n:D(9)%
カ:57[GC]
カ:8=2^3#

さしみ-3TK

第1セット
3:(AAAA55689QQ)
さ:(233445778TK)
3:D(3)AAAA35568QQ9#

第2セット
さ:(A355799JQQX)
3:(3445669TTQK)
さ:D(7)57[GC]
さ:97JXQQA3|X=T
3:D(A)%
さ:59#

第3セット
3:(A455678TTKK)
さ:(A334667889T)
3:D(7)A4556778TTKK,P(35589TJJQQKX)
さ:D(2)T2368368A497,P(AA22479JQQKX)
3:886541
さ:D(6)9QKQTJ
3:KKKTTJ
さ:D(9)%
3:9QXQTJ|X=K
さ:D(J)%
3:57[GC]
3:57[GC]
3:53#

準決勝

カステラ-はち

第1セット
カ:(A2266678QKX)
は:(A245778JJQK)
カ:D(9)K6Q6A272968X|X=7,P(A2344499TJKX)
は:D(K)J2AJQ77K458KP(33356789TJQQ)
カ:D(5)65A29
は:D(A)KKQQT,P(58TT)
カ:D(6)44469=3^6*6A
は:KKQTJ
カ:KKQXJ|X=K
は:D(5)%
カ:2
は:D(2)Q=2*2*3  
カ:X[IN]
カ:89QT7#

第2セット
は:(A34666778JX)
カ:(555799JQKKX)
は:D(Q)A3466Q6J787X|X=3,P(A223446889JQ)
カ:KKJ
は:D(T)%
カ:57[GC]
カ:5X|X=7[GC]
カ:Q959#

第3セット
カ:(A23556789QX)
は:(A2236788KKX)
カ:D(A)57[GC]
カ:269
は:D(7)KKX|X=J
カ:%
は:7762=2*388A#

第4セット
は:(22356679TQK)
カ:(346788TJJQK)
は:D(5)36K6T25Q5279,P(A2234459TQKX)
カ:D(7)TJJQK3467887,P(A34678899JKX)
は:D(5)A22223344555566799,P(AATJQ)
カ:8888A347
は:9765432A
カ:9643KQTJ
は:KKQJQTAA
カ:%
は:D(A)5
カ:X[IN]
カ:KJJ
は:D(Q)XQT|X=K,P(A77)
カ:9767#

3TK-マリン

第1セット
3:(AA3445JQQQX)
マ:(2355777TQKK)
3:5QQXQJ|X=T
マ:D(8)%
3:AA443#

第2セット
マ:(A33466778TQ)
3:(244899JJQQQ)
マ:D(7)TQ864A377763,P(AA234589JJKX)
3:D(A)A244899QQQJJ,P(223566789TTK)
マ:D(K)A729[RR]
3:[R]D(5)A423
マ:[R]D(K)AXA3|X=0
3:[R]D(5)%
マ:[R]D(T)35734868746TQJKKKJT,P(AAAA2233479XX)
3:[R]95629
マ:[R]44623
3:[R]25889
マ:[R]A2343
3:[R]%
マ:[R]KTQJ
3:[R]D(8)5674=8TKTQQJ*QJ,P(A223334456699)
マ:[R]9JTKK
3:[R]A2343
マ:[R]AXA63|X=0
3:[R]D(2)%
マ:[R]AX7|X=0
3:[R]%
マ:[R]57
マ:[R]887#

第3セット
3:(AA222348TTX)
マ:(47899TTJQKK)
3:D(3)TT3A2X4A2823|X=3,P(24555689JJQX)
マ:D(7)T9T9QJ478KK7,P(A33566778QKK)
3:D(9)AX29|X=7[RR]
マ:[R]D(6)A336,P(A4JQ)
3:[R]D(X)242JTTQJ
マ:[R]AA347745,P(A29)
3:[R]AX485259|X=0
マ:[R]D(4)%
3:[R]5X|X=7[GC]
3:[R]8363#

第4セット
マ:(2456777JQQX)
3:(23335589JQK)
マ:D(J)57[GC]
マ:72647
3:D(4)98QKJ
マ:JQQXJ|X=Q#

第5セット
3:(A23347789JQ)
マ:(AA2356799QX)
3:D(Q)QQ2379J4A387,P(244556688TJK)
マ:D(9)A729[RR]
3:[R]D(T)A233=TQQ79J487*458T66J5284K
,P(A2345678TTJJQKKKX)
マ:[R]65Q9
3:[R]D(7)AXA3|X=0
マ:[R]D(9)%
3:[R]2668247
マ:[R]D(A)%
3:[R]KKTTQJQJ
マ:[R]D(2)%
3:[R]D(5)57[GC]
3:[R]D(Q)2T8QKK843
マ:[R]%
3:[R]D(9)57[GC]
3:[R]D(3)39TJ69853
マ:[R]D(6)%
3:[R]57[GC]
3:[R]44QJ,P(AA6X)
マ:[R]AXA|X=0
3:[R]%
マ:[R]99623#

決勝

カステラ-マリン

第1セット
カ:(A357889TJJK)
マ:(A45689JQKKX)
カ:D(T)57[GC]
カ:8T9A3
マ:9JQKK
カ:D(4)%
マ:864X5A|X=2#

第2セット
マ:(A34559TQQKK)
カ:(A236679JQQK)
マ:5QKQTK
カ:D(J)9KQQJJ
マ:%
カ:66A273,P(578TKX)
マ:954A3#

第3セット
カ:(AA235678JQK)
マ:(A34579TTQKX)
カ:D(3)638KJQAA
マ:9KQTXTA3|X=Q
カ:%
マ:547#

マスぴよ杯2024・決勝

ロベピ-アベ

第1セット
ロ:(A357888TQQK)
ア:(AA3457TTJQX)
ロ:D(3)883
ア:D(K)QA3
ロ:8Q3
ア:D(J)7TJ
ロ:QTK
ア:KXJ|X=K
ロ:%
ア:T54A,P(278K)
ロ:A57#

第2セット
ア:(3345788TQQK)
ロ:(2233566799K)
ア:D(4)887
ロ:D(2)962=96*3,P(A49TKX)
ア:D(2)443
ロ:929
ア:Q23
ロ:6TA
ア:QTK
ロ:KKX|X=J
ア:D(8)%
ロ:9463
ア:D(5)%
ロ:57[GC]
ロ:223#

第3セット
ロ:(3346889JJJQ)
ア:(A22355667QX)
ロ:D(7)9887
ア:D(Q)QA27,P(A29T)
ロ:336J,P(26TK)
ア:D(K)A729[RR]
ロ:[R]D(9)%
ア:[R]D(4)TA
ロ:[R]66=2*3*J
ア:[R]D(T)64=2^6
ロ:[R]D(9)34=TJ*Q9,P(A55QKX)
ア:[R]D(A)QTK
ロ:[R]D(J)JQJ
ア:[R]A25=5^3
ロ:[R]AX3|X=0
ア:[R]D(8)%
ロ:[R]D(7)KKQTJ
ア:[R]D(4)%
ロ:[R]D(K)99K,P(348)
ア:[R]D(7)Q8X47|X=6,P(7889T)
ロ:[R]D(9)9973
ア:[R]D(A)9877,P(227J)
ロ:[R]D(3)3454859,P(A24666T)
ア:[R]887
ロ:[R]463
ア:[R]A27
ロ:[R]D(6)A26=65K84T*4569,P(AA3355TJJQQKX)
ア:[R]D(2)8QTJ
ロ:[R]5QQJ
ア:[R]D(T)%
ロ:[R]6KKJ
ア:[R]D(J)2479,P(9QKK)
ロ:[R]T63
ア:[R]D(2)229
ロ:[R]A25=5^3
ア:[R]D(7)%
ロ:[R]AXA|X=0
ア:[R]%
ロ:[R]84T4569#

注: マスぴよ杯2024決勝・ロベピ-アベ・第3セット32手目
ア:[R]D(2)229
について、その2手前(30手目)のアベさんがペナルティを引く際、4枚引くべきところを5枚引き、カードの中身を見てしまいました(内訳は(39QKK))。その後1枚(3)を山札の上に戻して試合は再開されましたが、審判が山札全体をシャッフルしてしまい(推測)、山札の順序が改変されました。そのため、32手目での本来のドローは3であるべきですが、異なるカードになっています。数譜は本譜の通りとします。なお、30手目終了時(ペナルティの枚数修正を行った直後)の山札は上から順に
3[79][A23467788][58TJJQQQ][6JKK]
です([ ]内の並びはカードを流す際のシャッフルにより不明)。

*1:初心者向けの大会。マスプライム杯2024の参加申込者のうち2020年以降のマスプライム杯でベスト4以上の経験がないプレーヤーが対象。

素数大富豪大会の数譜が4年分たまったので出た数を調べてみた

本稿の位置づけとしては2021年5月に書いた記事素数大富豪1年分のデータを総括してみた(2020年度) - 初代素数王の備忘録の続きにあたります。当初は1年ごとにその年度に素数大富豪大会の数譜を分析していこうと目論んでおりましたが、あれ以来3年間、大会個別の分析記事はあれど総覧するような記事は書いておりませんでした。3TKさんのように短期間に記事をたくさん書けるようなタイプではないし……。
久しぶりに書くにあたって前回の記事で扱った2020年度から昨年度(2023年度)までの4年間の素数大富豪大会をまとめてみようと思います。

基本情報

分析の対象は2020年度から2023年度に行われた素数大富豪大会のほぼすべてです。
「年度」は当該年の4月から翌年3月までとします。各大会に対して決勝が行われた(行われる予定だった)時期の属する年度をその大会の開催年度として、その大会で行われた試合はすべてその年度に行われた試合とみなします。したがって試合が行われた日が属する年度と大会の年度が異なる場合があります。
例: 第3期蝉王戦(2021年11月~2022年10月)は本来は2022年3月までに完了する予定であったので2021年度の大会。第1期梅森戦(2023年1月~6月)は当初から決勝が2023年5月~6月に行われる予定であったので2023年度の大会。

  • 2020年度
    • 第1期HNP杯(2020年4月~7月)
    • 第2期蝉王戦(2020年7月~11月)
    • 第1回チャレンジカップ(2020年7月~9月)
    • マスプライム杯2020(2020年9月(オンライン予選)・11月(決勝大会))
    • 第2期雪華流星戦(2020年11月~2021年4月)
  • 2021年度
    • 第2期HNP杯(2021年6月~9月)
    • 第3期蝉王戦(2021年11月~2022年10月)
    • マスプライム杯2021(2021年7月(オンライン予選)・9月(決勝大会))
    • はち杯
      • 第1回(ヘビー級・2021年12月)
    • 鼎聖戦プレ大会(2021年11月~2022年2月)
  • 2022年度
    • マスプライム杯2022(2022年8月(オンライン予選)・10月(決勝大会))
    • Mathpower杯(2022年9月)
    • はち杯
      • 第3回(ライト級・2022年8月)
      • 第4回(ライト級・2022年9月)
      • 第5回(ヘビー級・2022年10月)
      • 第6回(ライト級・2022年12月)
      • 第7回(合成数・2022年12月)
      • 第8回(ヘビー級・2022年12月)
    • 第1期鼎聖戦(2022年4月~2023年3月)
  • 2023年度
    • マスプライム杯2023(2023年9月)
    • 第2回せきゅーん杯(2024年2月)
    • 梅森戦
      • 第1期(2023年1月~6月)
      • 第2期(2023年6月~12月)
    • PQCS
      • 2023夏(2023年5月)
      • 2023冬(2023年11月~12月)
    • はち杯
      • 第9回(ライト級・2023年5月)
      • 第10回(合成数・2023年5月)
      • 第11回(ヘビー級・2023年5月)
      • 第12回(ヘビー級・2023年11月)
      • 第13回(ライト級・2023年11月)
      • 第14回(合成数・2023年11月)
      • 第15回(ライト級・2024年1月)
      • 第16回(ヘビー級・2024年1月)
      • 第17回(合成数・2024年3月)
      • 第18回(ヘビー級・2024年3月)
    • 三四郎杯(2024年1月~2月)
    • 第2期鼎聖戦(2023年4月~2024年2月)

※第2回はち杯(2022年1月)は中止
※2024年5月に開催された第19回はち杯(ライト級)・第20回はち杯(ヘビー級)・第21回はち杯(合成数)、現在開催中の第3期梅森戦・PQCS2024夏・第3期鼎聖戦は2024年度の大会のため今回の分析の対象外

大会の数がこの2年ほどで一気に増えました。合成数大富豪や四つ子素数大富豪(三四郎杯)といった特殊ルールでの大会も現れ、大会開催への意欲の高さがうかがえます。

行動データ

この4年間で何回素数合成数などが出されたのかを数えました。

(2020年度のデータについて、1手分2手分ペナルティを誤って素数とカウントしていたため、2021年5月の記事とは値が異なっています)
※追記(2024年6月8日): マリンさんのご指摘により、2020年度のデータでもう1件ペナルティとすべき手を素数とカウントしていたものがありました。画像を訂正版に差し替えました。ここにマリンさんに感謝申し上げます。

昨年度ははち杯の開催数の増加や梅森戦やPQCSが開始されたこともあり、総手数はそれまでの年度の倍以上になりました。
3人対戦・合成数大富豪・四つ子素数大富豪の大会の出現によりそれぞれの割合を単純に比較することができなくなっているため、これ以上の考察はしないことにします。

よく出された数

2020~2023年度に出された素数合成数を出された回数の多い順に100個ずつ(同順位があるため実際は106個ずつ)並べたのが以下のランキングになります。

もっともよく出された素数は3枚出し最大素数の131311(408回)で、素数の中では唯一ラマヌジャン革命(380回)や単独ジョーカー(388回)を上回りました。以下、各枚数の最大クラスの素数、種類の少ない1・2枚出し素数、偶数消費型素数が続きます。また、8が先頭の素数が多い・三つ子素数や四つ子素数では一の位に3や9が選ばれることが相対的に多く1や7が少ないという傾向があるようです。

もっともよく出された合成数は2枚出し最大の1313(252回)でした。強さもさることながら、四つ子素数大富豪でも使えるというのが回数を伸ばした要因でしょうか。次点の1312(188回)も強い上に揃いやすいというのが特徴。以下、各枚数の最大クラスの合成数、1・2枚出し合成数が並びます。それ以外にランクインした合成数

などがあります。

小さな数

すべての1枚出し・2枚出しについて出された回数をまとめました。

2021年の記事のものと比べるとだいぶ埋まりました。2枚出しまでの素数はすべて出ていますが、合成数については4年間通して1回も出されなかったものがたくさんあります。

この4年間で1回も出されていない素数を小さい順に100個挙げます(2019年度以前の大会で出された素数(1543*1など)も含む)。ジョーカーが必須なものや上位互換が他にあるものがほとんどですが、上位互換の751(157は6回出ている)、革命時ならそこそこ強い1553、1667などこのリストにあるのが意外な素数もあります。皆さんで協力して出していきましょう。

307, 373, 379, 401, 409, 419, 491, 503, 509, 571, 617, 709, 751, 769, 787, 809, 839, 907, 1151, 1187, 1201, 1231, 1301, 1303, 1307, 1319, 1321, 1409, 1429, 1471, 1493, 1523, 1531, 1543, 1549, 1553, 1571, 1579, 1597, 1601, 1607, 1609, 1613, 1619, 1621, 1637, 1657, 1667, 1697, 1709, 1721, 1723, 1733, 1741, 1753, 1759, 1777, 1783, 1787, 1801, 1811, 1823, 1831, 1847, 1861, 1867, 1873, 1901, 1907, 1931, 1933, 1949, 1951, 1987, 1993, 1997, 1999, 2003, 2017, 2027, 2029, 2039, 2053, 2063, 2069, 2081, 2083, 2087, 2089, 2099, 2113, 2137, 2141, 2143, 2153, 2161, 2179, 2203, 2207, 2243

大きな数

2023年度の素数大富豪における最大の特徴は超多枚出しです。以下は4年間で出された大きい素数(重複を含む)の一覧です。

※追記(2024年7月6日): 一部の素数が大きさ順にソートされていなかったため、画像を訂正版に差し替えました。ご指摘してくださったさしみさんに感謝申し上げます。

上位延べ101個(100位タイが2回あるため)のうち実に83個が2023年度に出されています。そのうち40個がmickeyさんによるものであり、素数大富豪のインフレに大きく寄与していることがわかります。9988から始まる超多枚出しがランキングの多くを占めており、超多枚出しを体系的に覚えようとしていることが窺えます。

最後に

また時間を見つけてこのような結果を紹介したいと思います。
なお表の詳細については以下のリンクで公開いたしました。
データの内容についての利用は自由ですが、当データの情報をもとにとった行動の結果についてはその責任を負いかねます。自身の責任のもとでの利用をお願いいたします。
素数大富豪データsince2020 - Google スプレッドシート

*1:第3期Mathpower杯(2018年10月)でnishimuraさんが出した。graws188390.hatenablog.com

全出ししたくない

この記事は素数大富豪Advent Calendar 2023の20日目の記事です。

adventar.org

昨日はマモさんの一か八か - まもめもでした。つい「一も八も」の素数を欲してしまうのは欲張りか怠慢か。

本稿では全出しへの対策を(主に全出し以外の方法で)考えます。

「全出し」とは

2023年の素数大富豪プレーヤーで知らない人はいないと言っていいほど普及した「全出し」ですが、紹介しておきます。
全出しとは、(素数である確証なしに)場に手札すべてを出すこと、およびそれが素数でなかったときに受けるペナルティ後の戦略のことです。素数大富豪は手札を先になくすことが勝利条件のゲーム*1にもかかわらず、手札が多いことが大体の場合で有利です。というのも、素数大富豪では一度に出す枚数に制約がないゆえ大量の手札を一気に消費することが可能であり、それに返すには同じ枚数が必要であるゆえ相手の手札が少ない場合は返される心配がないからです。全出しをするプレーヤーとしないプレーヤーが対戦する場合、先手後手にかかわらず前者が勝つことが圧倒的に多いです。そのため、全出しが普及した今から競技素数大富豪を始めるなら真っ先に全出しを覚えるべきです。とくに現在のトッププレーヤーにできるだけ早く追いつき、追い越したいのならば全出しは必須の戦略です。

なぜ全出しは台頭したか

全出しを主戦力とするプレーヤーは2020年以降(プレーヤーの名前を挙げるならマリンさん以降)に登場しました。コロナ禍以降に素数大富豪を始めた彼らにとっては素数大富豪fc2やオンライン素数大富豪といったオンラインでの対戦がメインです。実物のトランプを使う場合には大量のトランプを扱うのに煩わしさがありますがオンラインにはありません。また、合成数出しカマトトが登場した2019年頃には「素数大富豪本来の意図にそぐわない」などの否定的意見がありましたが(あったのです)、そのような声が彼らに届く機会はなかったようです。「とりあえずの全出しでも上級者への牽制となりえる」「枚数が多いほうが組み切りやすい」といった全出し戦略そのものに初心者が参入しやすい点があることは言うまでもありません。

アンチ全出しのための全出し対策

最初に断っておくと、私は全出しが好みではありません。最近は初期手札が並くらいであっても全出しするプレーヤーが多く、全出しが他にどうしようもないときの最終手段として扱われていたころから素数大富豪をプレーしている私にとってはどうも釈然としません。
初手全出しにはほとんどの場合全出しで返すのが最善手であるため、全出しを完全に避けることは今後も競技素数大富豪の最前線で戦い続けるには不可能です。それでもなるだけ全出しを回避したい人(私以外にいるだろうか)のために全出し対策を紹介します。

先手の場合

初期手札にKKJがあるなら3枚出し、KJQJがあるなら二刀流、絵札が多いなら絵札攻めは全出し党でもそうするので今はスルー。問題は初期手札がそれらを含んでいないような良くない場合です。全出し党なら迷わず全出しするのでしょうがちょっと待ってほしい。その初期手札、本当に全出しですか。たとえば、大きさは無視して3・8や4・7(ドロー後なら3・9や4・8)と組めるなら先に3枚ないし4枚のほうを出してKKJやKJQJを持っているように見せる。相手がカマトトすればこちらの上がりだし、相手が日和ってKKJやKJQJを先出ししたなら、相手がその直後に上がりきれなければこちらにもまだ分がある。たとえば相手が残りを全出ししたなら、やはりブラフ勝ちである。そうでないときでも相手は勝負手を出した直後でそれほど絵札はもっていないだろうから、まだチャンスがあるかもしれない。そもそも初期手札が良くない時点でこちらの劣勢なので過度な期待はしないこと。それが嫌なら初手で潔く全出ししなさい。

2023年12月12日 第12回はち杯 mickey-カステラ (1回目) 第7セット
カステラ:(7978J2QX83A)
mickey:(9XKA428JA4J)
カステラ:D(2)Q8=2^7
mickey:D(A)JK=AAA244*XJ89|X=4,P(QT3T7687T646)
カステラ:X8J=7^2*A39|X=6#

2023年12月12日 第12回はち杯 カステラ-はち 第2セット
カステラ:(97922AQ22XJ)
はち:(J36TT3JKX39)
カステラ:D(T)72T9
はち:KJXJ|X=Q
カステラ:%
はち:T3T3369,P(55Q8974)
カステラ:JQ=2*2*2*AX9|X=3#

ただし、3人以上で対戦する場合は初手8・9枚出しやブラフの効果が弱くなるので全出し気味に構えたほうがよいでしょう。

後手の場合

こちらが後手で相手に初手全出しされた場合は基本的には全出しで返す。例外はこちらが即座に上がれるとき・KKの合成数出し・XXがあり1枚出しで勝てる場合くらいです。こちらにKKJがあり相手にKKQがなさそうなら3枚出ししてもよいと思います(2やKの持ち具合で判断)。

2023年12月12日 第12回はち杯 カステラ-はち 第5セット
はち:(T2TA6AT86Q3)
カステラ:(6A23TX4K798)
はち:D(4)T6T8QAA2T643,P(9QK84QJ25Q35)
カステラ:9X7A8=2*43*T6K|X=Q#

2023年12月12日 第12回はち杯 mickey-カステラ (2回目) 第18セット
mickey:(2A5Q8442QT7)
カステラ:(AKKKJ33TJ2A)
mickey:D(J)TJQQA2244857,P(5K3Q86584735)
カステラ:3J
mickey:D(2)KQ=88*554334242525A6778TJQQ,P(JT678X6699X7Q4T9A9)
カステラ:KK=A3*TA
mickey:%
カステラ:J2K#

2023年12月12日 第12回はち杯 mickey-カステラ (1回目) 第2セット
mickey:(626Q456A9A9)
カステラ:(87XK332574X)
mickey:D(9)QAA245666999,P(9J723TQK5Q83)
カステラ:8=2^3
mickey:D(8)K
カステラ:X[IN]
カステラ:57[GC]
カステラ:4X=3*K7|X=J#

全出しの際は手札の合計が3の倍数でも構わず全部出したほうがよいです。その後は手札の内容を見てどの作戦を採るかの判断になります。
全出しした後の戦略はこの3年でずいぶん整備されてきました。それらについては(まだ出揃ってないものの)記事がありますのでそれらを簡単に紹介することにします。

多枚ラリー

参考記事
mickey57.hatenablog.com
mickey57.hatenablog.com
greenplus.hatenablog.com
簡単にいえば初期手札からの3・4枚出しラリーを倍の枚数で行うものです。1デッキに絵札は18枚しかないので10枚20桁は必ず通り、絵札の組み合わせによって9枚18桁や9始まりの10枚19桁も必勝になるものがあります。まずは10枚までの最大クラスの素数を覚えておく必要がありますが、よく使うものは意外と多くないようです。mickeyさんの最初の記事におけるtierS以上を覚えておけば十分で、tierAまで覚えるとよりよいでしょう。
7枚出しも有効で、絵札の枚数でディスアドバンテージがある場合にも使える可能性があります。ただし最近は「7・7・7・3」と悠長な組み切りは叶わないことが多い(最初の7枚出しをした直後に大きな7枚出しをされることが増えたため)ので、「7・7・10」とするか、最初の7枚出しを合成数出しにして後ろの「10」を小さくすることが考えられます。
よく使われる7枚出し合成数はmickeyさんの2つ目の記事およびさしみさんの記事を参照。

超多枚出し

参考記事
dil-13.hatenablog.com
dil-13.hatenablog.com
十数枚から二十枚にもおよぶ素数を出すもの。垓や𥝱サイズの素数を覚えておくという労力がかかるが、出せれば一撃で勝利をもぎとることができる。dilshさんの記事に使いやすい超多枚出しが紹介されています。

私がこれにもう一つ付け加えるなら、それは「革命」です。

革命

革命しておけば多枚ラリーを防ぐことができます。革命後の戦略はその必要性がこの数年いわれ続けているが未だに整備されておらず力戦模様にならざるを得ません。正面から全出しを受けるよりはまだましといった程度なので、過信は禁物です。

2023年5月6日 第11回はち杯 カステラ-マリン (1回目) 第2セット
マリン:(3T2584Q5822)
カステラ:(Q6699Q68A26)
マリン:D(Q)TQQ885542223,P(A3339KA5KATJ)
カステラ:D(X)A26Q6Q6X6899|X=Q,P(J9477TJX4K85)
マリン:D(T)AAA22233334555889TJ,P(K7J74)
カステラ:A729[RR]
マリン:A483
カステラ:XX49|X=A|X=0
マリン:%
カステラ:TJJQQK4566667889,P(A729A483XX49)
マリン:A729[RR]
カステラ:KJQJ
マリン:%
カステラ:D(A)A729[RR]
マリン:D(7)A224,P(29KJ)
カステラ:84T69
マリン:D(Q)22543
カステラ:A4867
マリン:A2335,P(JA729)
カステラ:665Q3
マリン:D(8)85223
カステラ:D(4)AX48X|X=0|X=7
マリン:%
カステラ:D(T)T49#

全出し相手に使うには注意したほうが良いもの

全出しが登場してから様々な戦術が試みられてきましたが、中には使用頻度が少なくなったものもあります。原因も併せて挙げますので、それを改善すればまた表舞台に現れる可能性があります。

overKJQJ

overKJQJは12枚程度使います。「4・4・4(overKJQJ)・4」とすると「7・7・7・3」と同様に最初の4枚出しに対し大きな4枚出しを返され、次の4枚出しが出せないので「4・4(overKJQJ)・8」に組む、最初の4枚を合成数出しにするなどの工夫が必要です。

待ち伏せ

相手の初手全出しに対し、全出しをせず「2・9」「3・8」「4・7」などで相手のミスを待つもの。どちらの順序で出しても返された上で枚数で押されてしまう。3人対戦で前の2人が全出しし山札がないときといった、元々勝つ見込みが低い場合に待ち伏せすることはあります。

まとめ

現在では全出しをされると全出しで返すのが最善であるため、全出しはもはや避けることができなくなっております。ゆえに全出しをしたくなければ、先手でそうしない選択をするくらいしかありません。全出し勢に少しでもこのような考え方が届くことを願いながら筆をおくことにします。

明日の素数大富豪Advent Calendar 2023の担当はさしみさんです。「21素数など可変系の紹介と考察」について書くとのことです。全出し隆盛の下で頭角を現してきたさしみさんの担当ということで、今日の内容とは真逆になりそうですが期待しましょう。

*1:このタイプのゲームとして素数大富豪のほかに大富豪やウノなどが該当する。

マスプライム杯2023・参加報告

この記事は素数大富豪Advent Calendar 2023の2日目の記事です。

adventar.org

昨日は二世さんのハム肉素数 - にせいの日記でした。たくさんのハム肉(8629)素数の紹介、面白かったです。そこには挙がっていませんが8628629(ハムにハム肉)が私のお気に入りハム肉素数です。

本稿では去る9月10日に行われましたマスプライム杯2023の振り返りをします。

マスプライム杯は2016―2018年に行われていた数学の祭典「Mathpower」の一企画として開催された素数大富豪大会を起源にもつ、素数大富豪の大会ではもっとも歴史のある大会です。2019年に数学イベント「マスパーティ」の一企画として開催ののち、2020年から現在の名前で独自に企画されるようになりました。新型コロナウイルス感染症の流行に伴い昨年(2022年)までは素数大富豪オンラインでのオンライン予選とその勝ち上がり者8名による決勝大会*1の2日制でしたが、今年は4年ぶりの完全対面開催となりました。

マスプライム杯2023ではMathpower杯・マスパーティ杯・マスプライム杯を通して初めて3・4人対戦が採用されました。

  • 1回戦: 参加者15名をスペード(4人)・ハート(4人)・ダイヤ(4人)・クラブ(3人)の4ブロックに振り分けそれぞれで対戦する。50分(3人対戦は35分)間で対戦を繰り返し、勝利数がもっとも多いプレーヤーが決勝トーナメントに進出。なおペナルティの枚数は3枚を上限とする。
  • 決勝トーナメント: 進出者4名によるノックアウト方式。準決勝は2本先取・決勝は3本先取。

放送対戦の数譜はこちらから。
graws188390.hatenablog.com

1回戦

対戦カードは事前による抽選により決定され、私はハートブロックで対戦することになりました。対戦相手はramdosさん・Oknowさん・3TKさん。ramdosさん・Oknowさんは同じ同好会のメンバー、3TKさんは4年ほど共に素数大富豪をしてきたプレーヤーで、相手の手の内を知っているという点ではやりやすいカードになりました。試合は終始私のペースで進みました。勝負手に関する判断をいつもより甘めで、(KやXが分散し)KQKで手番がとれると踏み込めるのが多人数戦ならではです。道中でQ7Tの合成数出しや44TA36AのHNPもあって全8セットのうち6勝という大勝で1回戦を勝ち上がることができました。

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準決勝

準決勝の相手はスペードブロックの勝者です。スペードブロック(コロちゃんぬさん-もりしーさん-さしみさん-でこぽんさん)の試合はマスプライム杯のYouTubeチャンネルで中継され、私はそれを観戦しました。終盤の連勝でさしみさんが勝ち上がりとなりました。スペードブロックでは2~4枚出しの枚数が少ない素数を中心に出されていたので、より多い枚数の素数を出すプレイが有利なのかなと考えていました。
(以下常体)

第1セット

じゃんけんの結果、第1セットの先手はさしみさんに。
相手はドローして57→KQJTA2876Aの全出し失敗。
こちらの初期手札は(225679TQKKX)。先手ならKKQTX|X=J→57[GC]→6229でほぼ勝ちだが、相手に全出しされたのでKKQKJを返される可能性がある。ゆえにこちらも全出しするのが定石だが、相手は直前のペナルティ10枚と次の手番のドローで残り1枚ずつのKとXを両方手に入れなければKKQKJは揃わないので、このKKQTX|X=Jが通る可能性はいつもより高そう。
少考の末、全出ししようとドロー。引いたのは9。KKQTX|X=J→57[GC]→92269の組み切りが残っているのでもう一度選択ができる。考え直してKKQTX|X=Jを出すことを決意。相手はKKQKJを持っていなかったようで無事に通り、第1セットを勝利。

第2セット

先手は私。初期手札は(A24789TTQKK)。多枚出し狙いでドロー。Aを入手したので7AA2QTTK→894Kとし、相手に返されることなく勝利。しかし、ここはドローせず単にKQTTK→984A27で十分(返される確率が15%ほどで、返されたとしても相手に上がりきられる確率はさらに減る)だったと思う。今回は相手の絵札が少なかった(3枚)のでどちらでも勝てたが、気を付けたい。それか初手に絵札を5枚使える素数を覚えて組み切る(KQTTKと比較すると、返せる素数が相手にある可能性が上がるものの相手がそれを出せるとわかる可能性が下がる)。4KTTKQAA(→8297)、7KQAATTK(→8429)、9KQTA2TK(→874A)、72TKTQK(→984AA)、8KQT4TK(→9AA27)、87TQKTK(→94A2A)、94KTTQK(→872AA)、97KTTQK(→84A2A)などのどれか1個でも覚えていればよりよかっただろう。

決勝

相手はOTTYさん。マスプライム杯2020・2021で準優勝の強豪である。かく言う私も第3期Mathpower杯・マスプライム杯2022で準優勝。対外的には「両者3度目のMPC決勝進出、勝てば初優勝」という好カードになった。

第1セット

第1セットの先手はOTTYさん。私はじゃんけんが弱すぎる。
私の初期手札は(A3555669TKK)、相手の初手は7QTQTJ。絵札が足りない。一応ドローして(9を引く)パスの後、84A27で相手の上がり。

第2セット

先手は私、初期手札は(224569TQKKX)。最初に目についたのはKQ=2^5*4X|X=Aだが、それを出すと残りの(269TK)がわからない。TK→KQ=2^5*4X|X=A→269とするのも、カマトトからのKKがあり、そうなった場合に立て直せない。KKQTX|X=Jも残りの(224569)がわからない。ドローすると8。偶数が全部揃ったので偶数消費多枚出し素数が有力。8642TQXK|X=Qとすると残りが(259K)でこれもわからない。8642TQX2K|X=Aという出し方もできるが残りが(59K)で3の倍数。時間もないので次のドローでいいカードを引くことに賭けて8642TQX2K|X=A。相手は9824TJ3J3と出すが合成数
手番が私に戻ってきた。運命のドローは2。これで手札は(259K)…ってさっき避けたやつ! 思わずのけぞる。3の倍数を引くよりましだけど。952Kか925Kだった気がするが、並べ替え最大奇数の952Kなら覚えてそうだから925Kにしたら外れ。このセットも落として2連敗濃厚かと思いながらも手札を並べなおす。ペナルティで(67TK)を引き、手札は(25679TKK)。
相手は2回のドローと2回の57の後、7枚出し失敗でこのセット3度目の私の手番。このとき相手が何をしてもドローして全出しと思って手札をTKK65297の順に並べていた(素数になりやすいように値を小さくするためTKKを先頭に、あとは適当)。
ドローはQ。全出しの際になるべく数を小さくしようとQを前の方に入れようとしたが、気まぐれでTKK6529Q7で出したらこれが素数! 落としかけていたセットを拾い1勝1敗。思うところはたくさんあるが、それはいったん後回し。

第3セット

先手はOTTYさん。初手はドローの後全出し失敗。こちらの初期手札は(A2244578QQX)、こちらもドローして(3を引く)全出しで応じる。ペナルティ後の手札は(AA22234444556789TJQQKXX)。絵札は少ないがXが2枚あるのは大きい。
相手が素数出し失敗し山札が尽きて私の手番。A729[RR]を出して相手の絵札をお荷物にする。相手はA237を出してきた。これで私から2とXがすべて見えたことになり、相手の革命返しの可能性がなくなった。A223を出して手番をとってから12枚出しで流れたカードを回収。
相手はKTTQJと5枚出し。こちらはラリーしながら手札消費を狙う。KTJQ3→98QTJ→68Q57ときて相手が96767と合成数を出し、私の手番に。
4が未だに4枚残ったままなので44449を出す。相手は36857と食らいつく。このときの私の手札は(AAA22223357XX)。ここに来て手札が偏ってうまい数が出しにくい。AXA33|X=0でAAXを消費するも手番を維持することを選択。
手札は(A222257X)、2を一気に消費する方法が難しい。とここで思いついたのが2の1枚出し。Xはすべて見えているので返されることはない。問題は相手がAの合成数出しカマトトをしたときで、その際に流れたXが回収される可能性がある。相手はパスしたのでもう一度2。相手パスの後57→A22X|X=3で上がり。

第4セット

先手は私、初期手札は(A45789JQKKX)……KKQXJ|X=K→57[GC]→894Aの勝ち確定である。一応98754Aが素数だったかなと思いながらも、より確実なほう、準決勝の最後の素数894Kに合わせたほうということでこの順に出し勝利。3勝1敗で優勝。

第2セットを落とさなかったことが優勝の最大の要因であろう。確実に勝つルートはあったと思うので掘り下げていく。
初期手札(224569TQKKX)で組むことを考えるなら、KQ=2^5*4X|X=Aの残りでできる素数926TK、KKQTX|X=Jの残りでできる素数654229は覚えていてもよかった。65KTKQX|X=J(→4229)も覚えていたら検討の余地はあっただろう。62549→KKQTX|X=J→2(62549にカマトトなら2QKTKX|X=J)、46229→KKQTX|X=J→5(46229にカマトトなら5XTQKK|X=J)に至っては当時の知識でも出せていたはずである。8をドローした後なら86KQXTK|X=J(→52249)なんかも使えそうである。5枚7桁素数はあまり使う機会はないが、KQ=2^5*4AやKK=A3*TAの残り、革命下でのラリーなどで使う機会がまれにある。
そして952Kを覚えていなかったことは痛恨の極みであった。4枚出しは上位互換に限れば1000個に満たない*2ので、その気になればすべて覚えてしまうこともできるはずである。
第3セットについては革命後の立ち回りが手札の優勢さの割にはうまくなかったと思う。A0、AA、A2で始まる素数のレパートリーが少ないのが組み切りを苦しくした原因だろう。昨今の超多枚出しへの対抗として革命を増やしている自身としては喫緊の課題である。そもそも最近は実戦不足からのミスが多くなっているので(現に先ほどの梅森戦で敗北した)、練習の機会を積極的に設けよう。

マスプライム杯2023において、私は当初3人戦・4人戦の導入に戸惑いがありましたが、終始和やかな雰囲気で行われ素数大富豪大会の理想の形のひとつとして大変素晴らしかったと思います。二世さんをはじめとする大会に開催に尽力してくださったスタッフの皆様に感謝申し上げます。

明日の素数大富豪Advent Calendar 2023の担当はもりしーさんです。「素数音楽vol.2」ということで、昨年の素数で音楽を作ろう! - 素数交響曲第2番の続きでしょうか。私は音楽に対してはまったくの素人ですが、もりしーさんや巨大なナメクジさんの素数音楽には心惹かれるものがあるので楽しみにしております。

*1:2021年は決勝大会も素数大富豪オンラインで開催。

*2:ゆぅくりっどさんのツイートによれば937個。

【マスプライム杯2023】数譜

9月10日に行われましたマスプライム杯2023の数譜(放送されたものに限る)を当ブログで公開いたします。nishimuraさん制作の数譜再生くんなどで分析を行いたいときにどうぞ。

過去の大会(マスプライム杯2020・2021・2022/Mathpower杯2022)の数譜
graws188390.hatenablog.com
graws188390.hatenablog.com
graws188390.hatenablog.com
graws188390.hatenablog.com

数譜の見方

数譜の書き方は私が2018年に提案した「標準的数譜」に従っています。詳しくはこちら。
graws188390.hatenablog.com
ただし、以下に注意してください。

  • プレーヤーを表す記号は頭文字を採った。
  • パスは「%」、手番の時間切れによる強制パスは「%%」で記した。
  • ジョーカーを一度に2枚使った場合、ジョーカーは2枚とも「X」で表し、ジョーカーが担ったカードについては左から順に現れた順に書いた。たとえば「XKTTTQX|X=K|X=J」は一番左のジョーカーをK、一番右のジョーカーをJとしてKKTTTQJを出したことを表す。

数譜の「第○セット」の部分はリンクになっており、マスプライム杯2023の動画のそのセットの最初に飛びます。
開会式
1回戦スペードブロック・プレーヤー紹介
実況・解説紹介
準決勝第1試合・直前インタビュー
準決勝第2試合・直前インタビュー
決勝・直前インタビュー
閉会式

1回戦

スペードブロック(コロちゃんぬ-もりしー-さしみ-でこぽん)

第1セット
コ:(345889TJQQK)
も:(24568899JJX)
さ:(A2246677QKK)
で:(A23379TTJQX)
コ:883
も:D(4)968,P(35T)
さ:D(A)Q66,P(A57)
で:D(6)QT7
コ:D(K)QTK
も:%
さ:%
で:XTJ|X=K
コ:%
も:%
さ:KQK
で:%
コ:%
も:%
さ:6726724AAA
で:D(7)%
コ:D(K)%
も:9946835TJJ,P(TQK)
さ:57[GC]#

第2セット
も:(A245578JQKK)
さ:(256799TJJQQ)
で:(23446799TKX)
コ:(A566888TTJQ)
も:D(3)57[GC]
も:42A
さ:692,P(A4X)
で:D(2)KTX|X=J
コ:D(A)%
も:KKJ
さ:D(7)%
で:D(3)%
コ:%
も:5Q83#

第3セット
さ:(A233468TQQX)
で:(3446899TJQQ)
コ:(A22455778JJ)
も:(A355678TJKX)
さ:TA
で:D(K)QK
コ:D(K)%
も:D(A)%
さ:D(6)%
で:644389T9QJ,P(79K)
コ:D(T)25=5^2
も:D(9)8J
さ:D(2)QQ,P(QK)
で:QK
コ:%
も:XK=A3*TA|X=K
さ:D(A)%
で:%
コ:%
も:57[GC]
も:569#

第4セット
で:(A222356789J)
コ:(AA2666899TT)
も:(3445789JQQK)
さ:(A447TTJQKKX)
で:A789222653J,P(3JK)
コ:D(X)666A
も:D(5)9344,P(57Q)
さ:T44A,P(38)
で:987A
コ:%
も:44Q3
さ:8T43
で:J6JK
コ:%
も:%
さ:KTQK,P()
で:522323#

第5セット
コ:(A23457TTJJX)
で:(23356667QQQ)
さ:(A345888JJKK)
も:(AA2446789TQ)
コ:5TA
で:D(9)QQQ,P(579)
さ:85J,P(9TK)
も:D(X)89Q,P(2K)
コ:7TJ
で:D(T)QQQ,P(A5)
さ:KTJ
も:%
コ:%
で:%
さ:D(T)88A
も:D(J)967
コ:D(J)24J
で:D(K)QTK
さ:D(7)KKJ
も:D(T)%
コ:%
で:%
さ:57[GC]
さ:T3489,P(269)
も:8TA
コ:X3J|X=9#

第6セット
で:(A2556677JQK)
さ:(A4899TTJKXX)
も:(A223568TJQK)
コ:(A2344578TJK)
で:D(A)767659JK,P(33Q)
さ:A489
も:D(Q)%
コ:D(8)8TA3
で:D(6)76QK
さ:KTXJ|X=Q
も:D(9)%
コ:D(7)%
で:D(4)
さ:X[IN]
さ:T9#

第7セット
さ:(25689JJQQKX)
も:(AA234888TTQ)
コ:(A34566799TX)
で:(A223346JQKK)
さ:5Q=2^9
も:D(4)TT=Q8*4,P(79K)
コ:D(5)%
で:D(J)QK
さ:%
も:D(T)KQ=2*3,P(577)
コ:%
で:643JK223JA,P(5Q9)
さ:KJQJ
も:D(K)%
コ:D(Q)%
で:D(2)%
さ:86X|X=3#

準決勝

キグロ-OTTY

第1セット
O:(223589JJJKK)
キ:(A234678JQQQ)
O:D(T)223
キ:D(A)643
O:859
キ:D(8)88A
O:KKJ
キ:D(4)%
O:TJJ#

第2セット
キ:(AA2345668KK)
O:(3568889TJKX)
キ:D(2)8A=3^4
O:D(2)86=5*8*8XTK293|X=Q,P(A344569TQQQX)
キ:D(7)57[GC]
キ:D(9)22A,P(A2Q)
O:9988X6654432KA3QTQJ|X=7
キ:D(J)%
O:8QT5X|X=9#

さしみ-カステラ

第1セット
さ:(AA26778TJQK)
カ:(225679TQKKX)
さ:D(5)57[GC]
さ:KQJTA2876A,P(445899TJJK)
カ:D(9)KKQTX|X=J
さ:%
カ:57[GC]
カ:92269#

第2セット
カ:(A24789TTQKK)
さ:(24556777TJX)
カ:D(A)7AA2QTTK
さ:D(9)%
カ:894K#

決勝

カステラ-OTTY

第1セット
O:(A24778TTJQQ)
カ:(A3555669TKK)
O:7QTQTJ
カ:D(9)%
O:84A27#

第2セット
カ:(224569TQKKX)
O:(23345789TJJ)
カ:D(8)8642TQX2K|X=A
O:9824TJ3J3,P(A456679JK)
カ:D(2)925K,P(67TK)
O:D(8)57[GC]
O:57[GC]
O:D(A)8JJ64A3,P(A5789TJ)
カ:D(Q)TKK6529Q7#

第3セット
O:(233667789KK)
カ:(A2244578QQX)
O:D(8)96238386K7K7,P(AA5789TTJJQK)
カ:D(3)QQA22345784X|X=7,P(A2344569TJKX)
O:8863J,P(569TJQ)
カ:A729[RR]
O:[R]A237
カ:[R]A223
O:[R]%
カ:[R]55834444QQTJ,P(AAA222233779)
O:[R]57[GC]
O:[R]KTTQJ
カ:[R]KTJQ3
O:[R]98QTJ
カ:[R]68Q57
O:[R]D(7)96767,P(5)
カ:[R]44449
O:[R]36857
カ:[R]AXA33|X=0
O:[R]%
カ:[R]2
O:[R]%
カ:[R]2
O:[R]%
カ:[R]57[GC]
カ:[R]A22X|X=3#

第4セット
カ:(A45789JQKKX)
O:(2346679TTJJ)
カ:KKQXJ|X=K
O:D(Q)%
カ:57[GC]
カ:894A#

追記(2023年9月12日): 1回戦・スペードブロック・第1セット、さしみさんの初期手札を修正。
注: 決勝・カステラ-OTTY・第3セット3手目、OTTYさんはドローせずに8863J(合成数)を出し、本来ならばペナルティで5枚引くべきところを6枚(山札すべて)引いています。その後プレーヤー・審判が気づかないまま試合が進行したため数譜ではドローなし・ペナルティ6枚として記録しました。なお、ペナルティ発生時の山札は上から(Q59J6T)です。

【第1期鼎聖戦】データ分析

2022年4月から2023年3月にかけて行われた第1期鼎聖戦の結果報告とデータ分析をします。

基本情報

鼎聖戦は私が主催する素数大富豪史上初の3人対戦による素数大富豪大会です。2021年11月から2022年2月にかけてルールの確認と調整のためにプレ大会を開催し、今期は第1期として開催しました。概要は以下の通りです(プレ大会とほぼ同様)。

  • 予選リーグ: 参加者9名がそれぞれ9試合を行う。合計ポイント上位3名が決勝戦進出。各試合は同一の3名による12セットにより構成される。1セット勝利するごとに1ポイント(pt)を得る。試合終了時、ポイントの多い順に1位4pt・2位2pt・3位0ptの順位点を得る(同点の場合は当該プレーヤーで順位点を等分する)。対戦カードと各セットの親(1番手)は事前に抽選により決定する(2番手・3番手は素数大富豪オンラインのシステムによってランダムに決定される)。
  • 勝戦: 予選リーグの上位3名が予選リーグのポイントを半分(小数点以下の端数は切り上げ)持ち越し試合を行う。第24セット以降において、セット勝利者がそれまでの合計ポイントで単独1位になった場合に試合は終了しその者が優勝者となる。そうでない場合は試合は続行する。

分析対象は第1期鼎聖戦の全試合(27試合・338セット)です(予選リーグ途中で大会離脱者が生じたため一部対戦カードの変更を行いました)。

  • 予選リーグ(26試合・312セット)
  • 勝戦(1試合・26セット)

プレ大会のデータ分析記事はこちら。
graws188390.hatenablog.com

行動データ

2人対戦の大会や鼎聖戦プレ大会のデータと比較して行動の分布の違いを見ます。比較対象は以下の通り。今回は大会の系統ごとにまとめました。

  • MPC(初心者~上級者・2人・一部オフライン・時間打ち切り、山札枯渇時のペナルティにルール変更*1 )
    • マスプライム杯2021(2021年7月(オンライン予選)・9月(決勝大会))
    • Mathpower杯2022(2022年9月・放送対戦のみ対象)
    • マスプライム杯2022(2022年8月(オンライン予選)・10月(決勝大会))
  • 素数大富豪トーナメント(中級者~上級者・2人・オンライン)
    • 第2期HNP杯(2021年6月~9月)
    • 第3期蝉王戦(2021年11月~2022年10月)
  • はち杯・ヘビー級(上級者・2人・オンライン・同一カードで一定時間対戦を繰り返す)
    • 第1回(2021年12月)
    • 第5回(2022年10月)
    • 第8回(2022年12月)
  • 鼎聖戦(中級者~上級者・3人・オンライン)
    • プレ大会(2021年11月~2022年2月)
    • 第1期(2022年4月~2023年3月)
2021年以降に行われた主要な大会における行動割合

プレ大会のデータ分析でも指摘しましたが、3人対戦では2人対戦と比べて素数出しの割合が少なくなり、パスの割合が多くなります。パスの割合が増えるのは、勝負手が流れるためのパスの回数が人数の分だけ増える、2人だけでラリーをして残りの1人はパスをし続けるという状況が発生するためで、当然の事象とも言えます。おそらく通常の大富豪でも同様の傾向があると思われます*2。そこで、もう少し踏み込んでパスを除いた行動の分布を比較します。具体的にはパス以外の各行動について、割合を(行動の回数)/(総手数)ではなく(行動の回数)/( (総手数)-(パスの回数))で計算します。結果は次のようになります。

パスの影響を除いても素数出しは割合が少なく、ペナルティが多いということがわかります。3人対戦ではカマトトや勘出しのリスクが低いのでペナルティが増えやすい状況になっています。とくに相手にドローさせないための山札回収がしやすくなっています。他の行動については、グロタンカットの割合がプレ大会から減少、単独ジョーカーの割合がプレ大会から増加していますが、2人対戦の大会との実績とは乖離していないので単にプレ大会の実績が外れ値気味だっただけかもしれません。慣れない3人対戦の大会で最初はみな手探り状態だったのが元のスタイルに戻りつつある、プレ大会はマリンさんが不在だったなどの理由があるかと思います。

出された数について

今大会で多く出された数の変化を見ます。2回以上出された数は以下の通りです。

プレ大会と比べると上位10種の顔ぶれが5(1回・77位タイ→20回・10位)と1313121311(6回・9位タイ→19回・11位)の入れ替わりを除いて同じです。1枚出しが増えたので該当する数および単独ジョーカーの順位が上がっていますが特殊・各n枚だしの最大クラスの素数合成数・1~2枚出しが多く出されている傾向はいつも通りです。
変化したものとその要因について考えれられることを挙げてみます。

  • 13111211の増加……プレ大会では「3人対戦では初手の二刀流戦法を他の2人が協力して止めることができる(中略)ため、初手の4枚出しが敬遠され」減少したとしたが、中終盤において相手の組み切り阻止のために先にKJQJを出すという方法が有力で、利用場面が増えた。
  • 複数回出される1~3枚出しが多い……データが多いので種類が限られる低枚数出しは何度も出される。
  • 目新しい素数合成数がほとんど登場していない……多枚出しについてはn枚2n桁を除けば種類が膨大で覚えているものも個人によって違うため同じ数を複数回出す難易度が高い。さらにデータが増えれば登場するようになるかもしれない。

プレーヤーごとの集計

プレ大会と同様に各種指標を計算しました。

プレーヤー・枚数ごとの素数出し・合成数出し・ペナルティの回数

(ロベピさんは黒子として対戦した試合(1試合)の戦績を含む)
ドロー率=(ドローした回数)/(総手数)
素数出しの平均枚数=(素数出しで出した枚数の合計)/(素数出しの回数)
合成数出しの平均枚数=(合成数出しで場に出した枚数の合計)/(合成数出しの回数)
素因数場の平均枚数=(合成数出しで素因数場に出した枚数の合計)/(合成数出しの回数)
ペナルティの平均枚数=(ペナルティを受けた際に場・素因数場に出した枚数の合計)/(ペナルティの回数)

グロタンカットを最も多く出した人”グロタンカッター”はマリンさん(38回)、ラマヌジャン革命を最も多く出した人”革命家”はマリンさん(7回)、単独ジョーカーを最も多く出した人”道化師”はマリンさん・ロベピさん(各8回)でした。マリンさんが三冠達成。

まとめ

プレ大会での考察と真逆になっている事象があったのでもっと長いスパンで観察していきたいと思います。3人対戦ならではの戦法についてもいつかはまとめたいなと思っているのですが、もう少しお待ちください(素数大富豪研究会で話せたらいいなあ)。
元のデータについてはこちらで公開しております。
docs.google.com

現在第2期鼎聖戦のエントリー募集中です。ぜひご参加ください。締切は3月29日(水)です。
docs.google.com

*1:ペナルティ時に引くべき枚数より山札が少ない場合、相手プレーヤーは足りない枚数以下の任意の手札を捨てることができる。実はこちらのルールが正式とされている。

*2:そのようなデータがありましたら私に教えてください。

オンライン素数大富豪大会「梅森戦」告知

この記事は素数大富豪Advent Calendar 2022の13日目の記事です。

adventar.org

昨日は3TKさんの皆も書こう!素数大富豪攻略記事! - [素数大富豪]3のブログでした。素数大富豪攻略記事として鼎聖戦用に3人対戦での立ち回り方とかを書こうと思っていたのですがなかなか時間がとれないままです。

本日12月13日は「素数大富豪の日」です。素数大富豪の2枚出しにおける最大素数1213(QK)に由来します*1。令和4年12月13日の41213、2022年12月13日の20221213も素数です*2

このたび新たな素数大富豪大会を開催する運びとなりましたのでその紹介をいたします。

大会概要

大会名

梅森戦(ばいしんせん)
メルセンヌ素数の名の由来となったメルセンヌの中国語表記「梅森」から名付けました。
zh.wikipedia.org
zh.wikipedia.org

タイトル名

本大会の優勝者には梅森(ばいしん)のタイトルが与えられます。

運営

カステラ・はちさん・OTTYさん
運営のtwitterアカウントは@baishinsenです。twitterアイコンははちさんが制作しました。2^{11213}-1メルセンヌ素数です。

梅森戦twitterアイコン

大会形式

素数大富豪オンライン上の2人対戦で、ルールは素数大富豪オンラインに準拠します。予選と決勝トーナメントの2部制。

  • 予選 参加者同士で日程調整を行い対戦を行う。(A) 3 勝 0 敗・3 勝 1 敗・3 勝 2 敗、もしくは、(B) 2 勝 3 敗・2 勝 4 敗・2 勝 5 敗の成績で決勝トーナメント参加資格が与えられる。決勝トーナメント参加資格を得る、もしくは6敗に達した時点で予選への参加権を失う。
  • 決勝トーナメント ノックアウト方式のトーナメントを行う。決勝トーナメント参加資格付与条件(A)を満たしたプレーヤーが決勝トーナメント参加資格付与条件(B)を満たしたプレーヤーよりも有利な位置に配置される。

予選では対戦カードを指定せず、他の参加者とマッチングを行って対戦します。これにより「すべてのカードが消化されるまで次のステージが開始できない」という事態を避けることができます。

日程

  • 2022年12月13日(火) 予選参加申請受付開始
  • 2023年1月4日(水)—4月30日(日) 予選
  • 2023年5月14日(日)— 決勝トーナメント

決勝トーナメント終了は2023年6月中旬を予定しております(参加人数や進行状況により前後します)。

予選参加申請

次のフォームから必要事項を記入し提出してください。
docs.google.com

大会のコンセプト

素数大富豪トーナメント(蝉王戦・雪華流星戦・HNP杯)とは独立した大会になります。最終的にはトーナメントにより優勝者を決定しますが、どちらかというとより多くの方に気軽に参加していただき、試合の機会を設けることを目的としております。
予選は参加者同士で日程調整した上で対戦することになっていますが、月1・2回ほど集まった者同士で対戦を行う「対戦会」を開催予定です。決勝トーナメント参加資格付与条件は緩めに設定しており、仮に参加者全員が同じ実力で十分な試合数が行えたとすると、(決勝トーナメント参加資格付与条件(A)を満たしたプレーヤーの数): (決勝トーナメント参加資格付与条件(B)を満たしたプレーヤーの数):(予選敗退のプレーヤーの数)は8:7:1になります。また、予選ではより多くの方が参加できるよう、予選参加申請を予選期間の前半が終了するまで(2023年3月3日(金)まで)受け付けます。
決勝トーナメントはマスプライム杯や蝉王戦と同様のノックアウト形式ですので、過去の大会の参加者もこれまで通りの緊張感をもって臨めるかと思います。

明日の素数大富豪Advent Calendar 2022はOTTYさんです。初期手札の話をするそうです。

*1:誰が12月13日を素数大富豪の日と言い出したかは定かではありませんが、遅くとも2016年には認知されていたようです。nisei.hatenablog.com

*2:yyyymmdd形式で日付を書いたとき12月13日が素数になるのは2011年以来で素数大富豪が考案されて以降(2014年以降)では初めてです。次回は2034年