初代素数王の備忘録

KA4T6X|X=9(カステラくん)は素数。

鼎聖戦―新しい素数大富豪大会

この記事は素数大富豪Advent Calendar 2021の12日目の記事です。

adventar.org

昨日の分は誰も書いていないので、今からでもお願いします。

本稿では、私が立ち上げた新しい素数大富豪大会「鼎聖戦」の紹介をします。

開催のきっかけ

今年は素数大富豪トーナメントの日程が大きく遅延しています*1。2019年7月の第1期蝉王戦の開幕以来続いてきた素数大富豪大会が定常的に行われている状態が失われ、素数大富豪へのモチベーションを保つのが難しくなりました。素数大富豪トーナメント運営には幾度となく共催の申し出や次の大会の早期開催を提案してきたのですが、聞く耳を持ってくれません。別の人には「そんなに大会がやりたいなら自分でやれば」と言われる始末。言われ始めたころは実際に大会を開くつもりはなかったのですが、もし自分が大会を主催するとしたらどんな大会にするかについての構想(妄想)はしていました。この時点で大会システムの原型はできあがっていました。
9月、マスプライム杯決勝大会の解説に2年連続で呼ばれなかった私は二世さんから「大会を作って業績を挙げるといいかも」という趣旨のアドバイスを頂いた際、解説への執心から「こういう大会をしてみたいという構想がある」と言ってしまいました。その後、マスプライム杯後の懇親会でこの構想について一通り話しました。ここで(大学受験のため一時活動休止する)マリンさん*2が復帰する2022年4月に開幕することを決意。プレ大会については開くかも、と伝えました。
10月、第3期蝉王戦は参加者募集中のままでなかなか開幕しません。そこで急遽プレ大会を行うことにしました。

鼎聖戦の特徴

こうして誕生した素数大富豪大会「鼎聖戦」は次のような特徴があります。

  • 1試合を3人で行う これまでの素数大富豪大会はすべて2人対戦*3でした。2人対戦は自分の利益と相手の不利益がぴったり対応しますが、3人対戦では必ずしもそうではありません。最初の手番の人の二刀流戦法に他の2人が協力する(一方がカマトトして手札を増強、もう一方が普通に出して場が流れるのを阻止)、極端な場合では「この人には上がられたくないので、もう一方に上がってもらう」状況もありえます。プロの麻雀の試合を見ていると自分の和了を捨ててでも他家へアシストする場面があって面白いです。それと同じことが素数大富豪でもできるだろうし、もしできたらワクワクしませんか。
  • 1試合12セット これまでの素数大富豪大会は2本ないし3本先取で勝者を決するという短期決戦のものだけでした。このルールだと先手・後手と試合の勝敗に相関があります*4。こうした運の要素を軽減するため、鼎聖戦では1試合を12セットとし、各プレーヤーは最初の手番の権利を4セットずつ有するとしています。もともとは1試合のセット数をもっと多くするつもりでしたが、12セットでも1時間~2時間弱かかるとわかったのでこれが妥当かなと思っています。また、このルールを円滑に行うため審判制を導入しています。
  • 順位点の導入 試合終了時に勝利セット数による順位に応じてポイントを加算します(麻雀でいうオカ・ウマに相当)。上位のほうがもらえるポイントが多いため、順位によるポイント差がさらにつくことになります(ちょっと「大富豪」に似てる?)。これにより試合の終盤は順位点の確保のための立ち回りが求められます。素点(セットの勝利で得られるポイント)とのバランスはプレ大会では素点12pt(1pt/セット × 12セット)に対し6pt(1位4pt・2位2pt・3位0pt)としています。

鼎聖戦プレ大会の途中経過

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仮順位は対戦カード決定時(2021年11月6日)のレーティング順。合計ポイントが同じ場合、仮順位が上のプレーヤーを上位とします。

1試合が12セットと長いためプレ大会はなかなか参加者が集まりませんでしたが、最終的に私を入れてプレーヤー8名、審判4名のエントリーがありました。ありがとうございます。
プレ大会は予選リーグを1人3試合(全体で8試合)戦い、ポイント上位3名が決勝戦へ進出。決勝戦は予選リーグのポイントを半分持ち越して「第24セット以降のセット勝利者でその時点での合計ポイントが単独 1 位になったプレーヤー」が優勝となります*5
昨日(12月11日)までに予選リーグが5試合終了。カステラ・かいたいさんがリードしていますが、nishimuraさんが自身の初試合で10ptを稼ぎ上位争いに名乗りを挙げました。この3人は直接対決があり激戦必至です。ここまでコンスタントにポイントを貯めているもりしーさん・ささらさんにも直接対決で勝てば決勝戦進出の可能性があります。
予選リーグは来年1月に終わり、2月に決勝戦を行う予定です。

大会のコンセプト

自分の大会をつくるにあたって次のことをコンセプトにしました。

  • 3人対戦 東工大素数大富豪同好会では3・4人で素数をすることが多いです。その中で2人対戦にはない特有の戦略があることを見つけました。3人対戦を極めると面白い試合ができそう・観れそうと思い、大会の最大のコンセプトに掲げることにしました。なお、4人対戦にしなかったのは初手で全出しすると山札が尽き全出ししたプレーヤーが優勢になるからです。
  • セット数を多くする 素数大富豪は運の要素が大きく、どんな実力者でも2・3セットを立て続けに落とすことはよくあります。これまでの大会は2・3本先取の試合でしたので、まともに素数大富豪ができないまま敗北することも珍しくありません(逆に苦労なしで勝利することも少なくない)。運の要素が大きいゲームとして有名なものに麻雀がありますが、麻雀の試合は最短でも1半荘(最低8局)は行います*6。手札運による早期決着の多さを考えると素数大富豪1セットのほうが麻雀1局よりも運の要素が大きいので、素数大富豪の1試合のセット数は麻雀の局数よりも多く行うべきです。また、セット数が多いとすべてのセットでがむしゃらに勝利をとりにいく必要はないと考えて、相手のミスを待ち伏せしたり、特定の誰かを上がらせない・上がらせるような戦略がとりやすくなります。主導権を握れないときの立ち回りも考えると面白いです。

大会名「鼎聖戦」は3人対戦だから"鼎"、タイトルとして使われることが多い"聖"という安直なつけ方になりました(結局それ以上の案を思いつかなかった)。"戦"も含めて画数がすべて13画になったのは偶然です。

まとめ

ふとした思いつきから大会の運営をすることになりましたが、プレーヤーや審判の方々の協力があって初めて大会が成り立つということを実感しました。改めて感謝申し上げます。
プレ大会では3人対戦特有の戦略がさっそく使われています。いずれはその記事も書こうかなと思います。

明日は12月13日「素数大富豪の日」です。素数大富豪Advent Calendar 2021の担当は……まだ空きがあります。こちらも誰かお願いします。せっかくなので明日の夜は 素数大富豪オンラインでまったり素数大富豪でもしますか。

*1:このせいでフラストレーションがたまっていたあまり当初この状況の詳細を延々と述べた文章を書いていたのですが、本稿の趣旨とは離れているため泣く泣く削除しました。

*2:活動休止するはずだったものの現在でも時折オンラインで会う。

*3:せきゅーん杯(2018年1月)の予選リーグで3人が同成績で並んだため急遽3人対戦の試合を行った例はあります。

*4:これは素数大富豪研究会2021で発表しました。graws188390.hatenablog.com

*5:このルールだと最後に上がったプレーヤーと優勝者が一致するのでウイニングプライムが自然に定まる、下位であっても暫定1位のプレーヤーにセットを取らせないようにするという目的ができるといったメリットがあります。

*6:1半荘で1試合の麻雀タイトル戦といえば麻雀最強戦があります。今日はその準決勝・決勝。