前回の記事に引き続き、7月17日に開催された素数大富豪マスプライム杯2021の自戦記です。
2回戦はnishimuraさんとの対戦。nishimuraさんは素数大富豪FC2の制作者です。最近よく見かける全出しはあまり使いませんが、多枚出しも含め覚えている素数の量はトップクラスで、初手8・9枚出しも得意です。1回戦では二世さんにストレート勝ち。私との対戦は過去に4度あります:
- 2018年10月7日 第3期Mathpower杯・準々決勝 カステラ3-2 nishimura
- 2019年7月6日 第1期蝉王戦・予選リーグカステラ2-1 nishimura
- 2020年4月4日 第1期雪華流星戦・ファイナル カステラ1-3 nishimura
twitter.com第1期雪華流星戦・ファイナル
— カステラ(あさやま) (@graws188390) 2020年4月4日
nishimuraさんと対戦。1本目は相手の初手2枚出しにKQないしKKを予感、偶然揃っていたKQを先出し。次にJを引き相手がKQだったなら絵札3枚はないだろうとKTJ、これがハマり先勝。しかし2本目は手札に恵まれず敗北。(続)#素数大富豪 #素数大富豪トーナメント #雪華流星戦 pic.twitter.com/jH6CRllkfP
- 2020年7月5日 第1期HNP杯・決勝 カステラ3-1 nishimura
twitter.comHNP杯・決勝
— カステラ(あさやま) (@graws188390) 2020年7月5日
nishimuraさんと対戦。1本目は絵札5枚の良い初期手札だったが後手。全出しされ、こちらも全出しで応戦。続く9枚出しに一度はHNPで返すものの後が続かず敗北。2本目は先手、最初のドローでKKJが揃ったので3枚出しで攻める。カマトトされると厳しくなるがされず、勝利。#素数大富豪 #HNP杯 pic.twitter.com/JxgFOMrXwg
ただ、ここ1年は対戦の機会がなく*1、これまでと同様に来るのかはわかりません。
1本目(5:13:14~5:16:22) 動画
私の初期手札:(A256779TJQK)
先手なら57[GC]→9K6QA2TJで上がりだが、残念ながら後手。手札のバランスは良いが、相手が自信のある枚数で来る以上KTJやKTQJが通るとは思えない。
1. n:645A
2. カ:D(Q)9TJQ=QA2*5677K,P12
nishimuraさんはドローせず4枚出し。ブラフはありそうなので返そうと思うが何を返すか。ドロー(Q)してから考える。KTQJは温存するとして、952Aだと残りは(677Q)でわからない(実は詰んでいる)。652Aを残しての(779Q)での4枚出しや、(A257)を残して(679Q)での4枚出しはわからず(正解はそれぞれ97Q7、76Q9)。時間が迫ってきたのでカマトトに作戦変更。
3. n:9K6JXAA|X=Q#
nishimuraさんが残り手札をすべて出して上がり。当初の読みどおり初手の4枚出しはブラフだった。
組み切れていたらどうなったか分からないゲームを落としてしまった。
2本目(5:17:09~5:22:14) 動画
私の初期手札:(A233568TQQX)
(A25T)があるので~T=2*5*~Aの形の合成数出しを探すと3QT=2*5*3QAがあり、残りは(68X)。ブラフにはブラフを、ということで863→3QT=2*5*XQA|X=3で行くことに決めた。こんな思考をしていたらパスをして相手の手番にすることでシンキングタイムとするのを忘れてしまい注意を受ける。
1. カ:863
2. n:D,KTJ
3. カ:%
私のパスし忘れもあり通常よりもシンキングタイムが長くなった。そこでノータイムで863を出したが、ブラフを見破られたのかKTJを返される。私がこれに返すにはKをドローしてKQX|X=Kを出す他ないが、ブラフでいったからにはこれを継続することにドローせずパス。
現在の手札は(A235TQQX)なので2枚出しならQQ=2*X*3*TA|X=2→5、3枚出しなら予定どおり3QT=2*5*XQA|X=3、4枚出しなら5QQX|X=J→2T3A、5枚出しなら3QQTX|X=K→52Aと対応可能。
追記(2021年8月4日): 仮にドローしてKを引いていたらKQKどころかKQT=2*5*X3QA|X=Aで上がりでした。Aを引いてもXQT=2*5*A3QA|X=Kで上がり。自分からA・K・Xが各1枚しか見えておらず、nishimuraさんはKやXをこれ以上持っていなさそう(もし持っていたらKTJでなくKKJを出して私がKKJを出すのを阻止するため)に見えるのでドローしてもよかった場面でした。この可能性を指摘してくださったマリンさんにお礼申し上げます。
4. n:57[GC]
5. n:57[GC]
6. n:8877A#
nishimuraさんがそのまま上がり、決勝大会進出を決めた。
ブラフが失敗し、ストレート負けを喫した。
展開に恵まれなかったこともありますが、過去の対戦で最も「実力がなくて敗北した」ことを実感する対戦でした。
1本目は(A256779Q)を4枚出し素数2つに分けることができなかったのが最大の敗因です。一番わかりやすい65Q9(惨い肉)/7A27をはじめ9257/7Q6A、9767/52QAなど気づけるはずだった組み合わせは複数ありました。
2本目はそもそも絵札が4枚あり普通に出してもそこそこ強いのでnishimuraさん相手とはいえブラフより多枚出しのほうがよかったと思います。たとえば
85QQTXA3|X=T→6=2^3
82A3QQTX|X=J→653
6TQ3XQ5A|X=K→8=2^3
5T32QQXA|X=J→863
など(下2つは四つ子素数)がありますし、何なら昨年のマスプライム杯で覚えてなかったことで敗北した素数865QTXA3|X=J→Q23がありました。ドローすればバリエーションはさらに増え、9枚出しもできていたかもしれなかったので、非常にもったいないゲームでした。
さて、9月25日(土)に行われる決勝大会(オフライン)は横浜*2で開催されることになりました。新型コロナウイルス感染症感染防止の観点から、決勝大会に出場する8名と運営スタッフ以外は入場できませんが、YouTube Liveでの生配信および生解説がありますのでぜひ見ましょう。
P.S. マスプライム杯2年連続予選敗退の身ではありますが、素数大富豪大会の試合の解説など素数大富豪関連の仕事がありましたら私までご連絡ください。新型コロナウイルスのワクチンは8月中に2回接種が終わる予定です。