初代素数王の備忘録

KA4T6X|X=9(カステラくん)は素数。

【第3期Mathpower杯】1回戦-1 タカタ先生-くじら (2)

前回の続きです。

ここで解説ルームの紹介。解説者は鰺坂もっちょさんとみうらさん。2年前の第1期Mathpower杯の決勝でぶつかった2人が、今期は解説としてMathpower杯を盛り上げていきます。2本目は1本目で敗れたタカタ先生の先攻です。

2本目(12:45:39~13:02:27*1 )

初期手札 タ:(25777889TJJ) く:(2355679TJKK)
1本目は偶数ばかりの手札に悩まされた両者。今回はともに奇数が多め。タカタ先生は絵札は3枚ですがQ,Kがないので少し弱め。くじらさんは絵札4枚。3枚出し最強のKKJや4枚出し2番目のKJTKがあります。くじらさんは256を左側に寄せ、1本目に128を合成数出ししたのと同様に256(=2^8)の合成数出しを狙っているようです。タカタ先生は57を右側に。

1.タ:J
2.く:K
3.タ:D(Q)%
タカタ先生、少々悩んでJの1枚出し。くじらさんがKを出し、タカタ先生はドローしてパス。お互いに絵札を消費。

4.く:57[GC]
ここでくじらさん、今大会初のグロタンカット。若本さんの巻き舌が場内に響き渡ります。

5.く:3
6.タ:J
7.く:K
8.タ:D(X)%
くじらさんの3の1枚出しからJ、Kと両者またも絵札を消費。タカタ先生、Kに勝てるジョーカーをドローするもここではパスを選択。左側にX729と並べラマヌジャン革命を狙っているかのよう。
8手目終了時の両者の手札 タ:(25777889TQX)(残11枚) く:(2569TJ)(残6枚)

9.く:D(3)T9
10.タ:D(6)%
くじらさんのT9に対しタカタ先生またもジョーカーを温存しパス。

11. く:D(A)A3J,P(A3Q)
くじらさん、3枚出しするもA3Jは3の倍数(1311=3*19*23)。なお1311=23*57ですが、57は場に出すときに限り場を流すことができる合成数ですので、合成数出しの素因数としては使えません(使うとペナルティ)。きちんと3,19と出しましょう。

12.タ:D(6)67
13.く:QJ,P(23)
タカタ先生の出した67に対し、くじらさんはQJを出すもこれは7の倍数(1211=7*173)。もっちょさんが言うようにQJを出すのはありがちなミス。1001チェックをすれば1211=1001+210なので7の倍数だとすぐにわかります。

14.タ:D(4)4687,P(68QQ)
タカタ先生、偶数消費を狙い4枚出しをするが4687は合成数(4687=43*109)。ペナルティでかえって偶数が増えることに。偶数部分を逆に並べて8647とすれば素数でした。

15.く:33=3*AA
16.タ:67
17.く:D(9)%
くじらさん、ペナルティで引いたA,3を合成数出しで一気に消費。タカタ先生の67にくじらさんはドローして9。手札左側に並べていた256を295Q(5Q=2^9の合成数出し)に変え、パス。

18.タ:D(5)X729|X=A[RR]
19.く:[R]%
タカタ先生、満を持してラマヌジャン革命。しかし、手札が偶数のみとなる。
f:id:graws188390:20181024135712p:plain
19手目終了時の両者の手札 タ:(4556888TQQQ)(残11枚) く:(22569JQ)(残7枚)

20.タ:[R]D(A)6A
21.く:[R]D(4)%
タカタ先生の6Aに対し、くじらさんはいったんは6Jを出すも、革命中のため手札に戻されます*2。その後パスを選択。

22.タ:[R]D(4)5
23.く:[R]D(K)2
24.タ:[R]D(J)%
タカタ先生、奇数がドローできず5の1枚出し。それにくじらさんは最小素数の2。タカタ先生、奇数(J)をドローしてパス。

25.く:[R]J
26.タ:[R]5
27.く:[R]%
くじらさんはJを出し絵札を消費。タカタ先生は5を返す。くじらさんは2を出さずにパス。
27手目終了時の両者の手札 タ:(44888TJQQQ)(残10枚) く:(24569QK)(残7枚)

28.タ:[R]D(9)89
29.く:[R]D(T)%
自分でラマヌジャン革命を起こしながら手札に絵札5枚を抱えるタカタ先生。9のドローに89でやり過ごす。くじらさん、手札左側の295Qを崩さずにパス。

30.タ:[R]D(A)TA
31.く:[R]D(T)%
タカタ先生、今度はAをドローしてTA。くじらさん、またもドローしてパス。

32.タ:[R]D(K)QK
33.く:[R]5Q=2^9
34.タ:[R]D(8)%
タカタ先生、ドローしてQK。2枚出し最大素数だが今は革命中なので2枚出し最弱素数。これに対し、くじらさんはずっと持っていた5Q=2^9の合成数出し。1本目に決めたQ8(=2^7)の合成数出しもそうですが、2冪の合成数出しは出しやすいのが多いです。とくに8=2^3、64=2^6、256=2^8、T24=2^Tは偶数が多く消費できるので実戦でもよく見られます。

35.く:[R]D(2)TK
36.タ:[R]D(X)%
くじらさん、ドローは2。TKを出し、手札が偶数のみに。タカタ先生、ジョーカーをドローするが使わずにパス。
36手目終了時の両者の手札 タ:(44888JQQX)(残9枚) く:(246T)(残4枚)

37.く:[R]D(4)%
くじらさん、ドローしてここで初期山札がなくなる。手札から出せるものは2しかない中、パスを選択。

38.タ:[R]D(J)QX=J*J|X=A
39.く:[R]D(K)%
タカタ先生、合成数出しで絵札を一挙に3枚消費。くじらさんはKをドローしてTKを出すが、依然革命中なので無効。TKは手札に戻されパス。

40.タ:[R]D(5)5
41.く:[R]D(7)%
手札に4,8,Qしかないタカタ先生。ドローした5をそのまま出す。くじらさんはドローしてパス。

42.タ:[R]D(3)83
43.く:[R]47
44.タ:[R]D(J)%
3をドローしたタカタ先生。83を出す。くじらさんは先ほどドローした7を使って47。続くタカタ先生のドローはJでパス。

45.く:[R]D(K)K
46.タ:[R]D(T)%
くじらさん、ドローしたKをそのまま出す。タカタ先生はドローしてパス。

47.く:[R]D(9)K
48.タ:[R]D(6)%
くじらさん、ドローした9と入れ替えてKを出し絵札を消費。タカタ先生はまたもドローしてパス。
48手目終了時の両者の手札 タ:(44688TJQ)(残8枚) く:(2469T)(残5枚)

49.く:[R]D(7)T9
50.タ:[R]D(3)T3
51.く:[R]D(A)67
52.タ:[R]D(A)6A
53.く:[R]4A
54.タ:[R]D(3)34,P(36)
両者、連続で奇数をドローしながらの2枚出しが続く。54手目、場の4Aにはもう返せないタカタ先生が放った奇手34は偶数。ちなみに手札補充の目的で意図的に偶数を出すことはありえます*3
f:id:graws188390:20181024141014p:plain

55.く:[R]2#
くじらさんが最後の1枚、2を出してゲームセット。2本先取でくじらさんが2回戦進出。

講評

1本目は57手かかりましたがこちらも55手、長期戦となりました。終盤の連続奇数ドローは15手目にくじらさんが出した33=3*AAが回ってきたものです。使いやすい奇数A,3を合計5枚消費するこの合成数出しは、出された時点ではあまりよくない手だと思っていたのですが、これがゲームを終着へと導いた恰好となりました。くじらさん、まさかこれを狙っていた?
2勝負とも制限時間いっぱいの名勝負(迷勝負?)となりましたが、気になる点がありました。それはJの使い方です。Jが出された機会は2勝負で合計15回ありましたが、その内訳は以下の通りです。
J(7回、素数)
TJ(2回、合成数)
QA=J*J(1回、合成数出し)
5J(1回、合成数)
QJ(1回、合成数)
JK(1回、合成数)
A3J(1回、合成数)
82J(1回、合成数)
素数出しとしてはJの1枚出し以外は失敗となっております。これはKのつく2枚出し素数QK(4回)、TK(2回)、6K(1回)がそれぞれ出されているのと比べると大きく違います。原因のひとつとして、Jのつく素数が覚えにくいことが挙げられます。QKは2枚出し最大素数として素数大富豪プレーヤーに広く知れ渡っています。TKも1気圧が1013hPa*4であるとか10Xの四つ子からの類推もできます。一方でJのつく2枚出しは9J、8J、3J、2Jの4つ*5がありますが、知名度は先述のQK、TKに劣ります。ここで、この4つの素数を一挙に覚える方法を2つご紹介いたします。

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最後に2本目の数譜を改めて掲載いたします。

タ:(25777889TJJ)
く:(2355679TJKK)
タ:J
く:K
タ:D(Q)%
く:57[GC]
く:3
タ:J
く:K
タ:D(X)%
く:D(3)T9
タ:D(6)%
く:D(A)A3J,P(A3Q)
タ:D(6)67
く:QJ,P(23)
タ:D(4)4687,P(68QQ)
く:33=3*AA
タ:67
く:D(9)%
タ:D(5)X729|X=A[RR]
く:[R]%
タ:[R]D(A)6A
く:[R]D(4)%
タ:[R]D(4)5
く:[R]D(K)2
タ:[R]D(J)%
く:[R]J
タ:[R]5
く:[R]%
タ:[R]D(9)89
く:[R]D(T)%
タ:[R]D(A)TA
く:[R]D(T)%
タ:[R]D(K)QK
く:[R]5Q=2^9
タ:[R]D(8)%
く:[R]D(2)TK
タ:[R]D(X)%
く:[R]D(4)%
タ:[R]D(J)QX=J*J|X=A
く:[R]D(K)%
タ:[R]D(5)5
く:[R]D(7)%
タ:[R]D(3)83
く:[R]47
タ:[R]D(J)%
く:[R]D(K)K
タ:[R]D(T)%
く:[R]D(9)K
タ:[R]D(6)%
く:[R]D(7)T9
タ:[R]D(3)T3
く:[R]D(A)67
タ:[R]D(A)6A
く:[R]4A
タ:[R]D(3)34,P(36)
く:[R]2#

次回は1回戦2試合目・せきゅーんさんとコロちゃんぬさんの対戦を解説します。

追伸
ブログ「初代素数王の備忘録」をお読みいただきありがとうございます。カステラです。
10月19日より密かに始めたブログですが、昨夜から瞬く間に素数大富豪界にその存在が知れ渡っており、こちらとしては大変驚いております。このブログは素数大富豪がもっと強くなりたい人向けに執筆していますが、途中に登場する小ネタは筆者の趣味なので時には読者のみなさんを置き去りにしていくような場合もあるかもしれません。また、よりよい記事にするため、一度公開した記事でも公開してしばらくは表現の若干の修正も含めた加筆修正をする場合があります。以上の点にご留意していただき記事を楽しんでいただけましたら幸いです。

*1:時間はタイムシフトにおけるこの勝負の放送時間です。https://live2.nicovideo.jp/watch/lv314662902

*2:カードの強弱や枚数が守られていない場合は無効とされ、出したカードは手札に戻される。素数判定はしない。

*3:いわゆる「カマトト」と呼ばれるテクニックです。私も今大会では8TT、5TT8862、T8と3回偶数を出しペナルティを受けています。

*4:厳密には1気圧は1013.25hPa。

*5:J3もあるが、上位互換の3Jがあるためここでは除く。

【第3期Mathpower杯】1回戦-1 タカタ先生-くじら (1)

2018年10月7日に数学の祭典「Mathpower」において開催された素数大富豪大会(以降、「第3期Mathpower杯」と記す)の、ニコニコ動画で中継された試合を解説していきます。

壇上にはMathpower総合司会のタカタ先生とキグロさん。キグロさんから素数大富豪のルール説明の後、タカタ先生から今回のトーナメントの説明。放送では概要のみであったが、詳細を述べると

  • 参加者24人によるノックアウト方式。1試合2本(準々決勝以降は3本)先取で勝利。
  • 1本目の先攻は試合前に行われるじゃんけんの勝者。2本目以降は直前の敗者が先攻。
  • ルールは公式ルールに同じ。枚数制限なし、上がりの制限なし*1、手札上限なし*2、流れたカードは流れた順に山札になる(が、ルール通りに運用されていない勝負がいくつかある)。
  • シンキングタイム1分、1手1分(時間切れは強制パス)。
  • 1本あたりの制限時間は15分。15分が経過した時点で勝敗がついていない場合は勝負を中断、お互い手札のカードすべてを使って1つの数をつくる。素数判定の結果、素数がつくれた方の勝利。両者つくれた場合はより大きな素数がつくれた方の勝利。両者つくれなかった場合は手札の枚数の少ない方の勝利*3

そして前回に引き続き素数判定の声は若本規夫さん。昨年よりもバリエーションが増えている。壇上での使用トランプはバイスクルのガーディアン。

1回戦最初の放送はタカタ先生とくじらさんというカード。タカタ先生は第1期・第2期に続いての参加ですが、過去2回はいずれも1回戦で敗退。今回は秘策を持ち込んでいるらしい。くじらさんはMathpowerの「ミスター耐久企画」。今回もMathpower開始から円周率計算に挑戦中。計算力がプレーに生かせるかどうか。ちなみに大会における手回し計算機の使用は禁止です。この試合で勝った方が前回優勝者・もりしーさんとの対戦に駒を進める。じゃんけんの結果、1本目の先攻はくじらさん。

1本目(12:29:31~12:44:56*4 )

初期手札 く:(345669TJQKX) タ:(2245568TJQK)
くじらさん、T,J,Q,K,X各1枚ずつありかなり強い手札。実は

  • T49→KXJ|X=K→665Q3
  • 64T9→KJQX|X=J→653
  • 96643→KXQTJ|X=K→5

のように3枚出し・4枚出し・5枚出しのいずれでもほぼ勝ち確定のルートがとれます(KKJは3枚出し最大素数、KJQJは4枚出し最大素数、KKQTJは5枚出し2番目に大きな素数)。
一方のタカタ先生、T,J,Q,K各1枚ずつあるが、他のカードがすべて偶数(5は偶数)であるところが厳しい。よく見ると2,4,6,8,T,QがあるのでもしAを引いてきたなら2468TQA(昨年のMathpower杯でせきゅーんさんが出した素数)が狙えます。

1.く:43
2.タ:TJ,P(JQ)
1手目、くじらさんほぼノータイムで43。手札にQK(2枚出し最大素数)があるので2枚出しは悪くない。2手目、「10のスペシャリスト」と豪語していたタカタ先生、自信をもってTJ。しかしこれは3の倍数(1011=3*337)。10Xは四つ子でしかもX=Kでも素数になるのですが、X=Jではこのように3の倍数です。ちなみに末尾にA,3,7,9,J,Kをそれぞれつけてそれらがすべて素数になるような数は存在しません。とくに四つ子の共通部分にJをつけると3の倍数です。これについては、キグロさんの以下の記事に詳しく載っています。ch.nicovideo.jp

3.く:T59,P(A8K)
3手目、くじらさんはT59。しかしこれも先ほどと同様3の倍数(1059=3*353)。早くも泥試合の予感。
3手目終了時の両者の手札 く:(A56689TJQKKX)(残12枚) タ:(2245568TJJQQK)(残13枚)

4.タ:D(9)T9
5.く:QK
6.タ:D(5)%
タカタ先生T9。今度こそ素数。それにくじらさんがQK。タカタ先生はドローしてパス。

7.く:TA
8.タ:QK
9.く:%
くじらさん、「10のスペシャリスト」に対しTAを放つ。それに「10のスペシャリスト」はQKで応戦。
9手目終了時の両者の手札 く:(56689JKX)(残8枚) タ:(22455568JJQ)(残11枚)

10.タ:82J,P(6TT)
タカタ先生82J。82Xは四つ子素数(ハニー素数)だと知っていたはものの、Jをつけたら3の倍数になってしまいます(8211=3*7*17*23)。このことについては2手目ですでにコメントしました。

11.く:JK,P(33)
JKは3の倍数(1113=3*7*53)。なおJKの素因数分解には「みなこさんはJK」という語呂合わせがあります。

12.タ:2
13.く:3
14.タ:5
15.く:J
16.タ:D(8)%
タカタ先生、泥試合を案じて「シンプルに」と2の1枚出し。その後テンポよく素数が出されていきます。くじらさんのJに対し、Kをもっていないタカタ先生はドローしてパス。
16手目終了時の両者の手札 く:(356689KX)(残8枚) タ:(24556688TTJJQ)(残13枚)

17.く:59
18.タ:5J,P(9Q)
くじらさんの59に対しタカタ先生は悩んで5J、しかしこれは素数ではない(511=7*73)。ちなみに511は511=2^9-1メルセンヌ数(2^n-1 (n \in \mathbb{Z}_{>0})の形に表される整数)ですが、「2^n-1素数ならn素数」が成り立ち*5、9が素数でないことからも511が素数でないことがわかります。詳しくはせきゅーんさんの以下の記事。
integers.hatenablog.com


19.く:3
20.タ:5
21.く:D(J)J
22.タ:D(K)K
23.く:%
再び1枚出しの場に。タカタ先生のKに対しくじらさんはジョーカーを温存しパスを選ぶ。

24.タ:829
25.く:%
タカタ先生ついにハニー素数829を出す。くじらさんは再びパス。
25手目終了時の両者の手札 く:(668KX)(残5枚) タ:(45668TTJJQQ)(残11枚)

26.タ:5
27.く:D(7)7
28.タ:J
29.く:D(7)K
30.タ:D(7)%
手札に奇数がなくなってきたタカタ先生、5の1枚出し。お互いドローしながら1枚出しが続き、手番はくじらさんへ。

31.く:67
32.タ:T7
33.く:D(7)%
くじらさんの67に対し、「10のスペシャリスト」はT7を返す。

34.タ:D(8)TJ,P(2X)
手札に奇数がJしかないタカタ先生、ドローするも8は偶数。そして2回目のTJ。3の倍数チェックくらいはやろう。ペナルティでカードを引いた際にジョーカーを手に入れます。
34手目終了時の両者の手札 く:(678X)(残4枚) タ:(246688TJQQX)(残11枚)
f:id:graws188390:20181021180235p:plain

35.く:D(4)7
36.タ:J
37.く:D(2)%
1枚出しで奇数を消費しあい、両者の手札から奇数が消えます。

38.タ:D(3)823
39.く:D(4)%
3をドローしてきたタカタ先生、2回目のハニー素数823を出す。

40.タ:D(9)T9
41:く:%
またも奇数をドローしたタカタ先生、思わず「よし」と声が漏れます。さっそくドローした9を使ってT9を出します。

42.タ:D(A)664A,P(AA4T)
手札の偶数消費を狙ったタカタ先生、1001チェックをして664Aを出すもこれは29の倍数(6641=29*229)。ちなみに864Aなら素数で、864A→QQ6X|X=Kで上がりとなります。QQ6J,QQ6Kは偶数消費の双子素数です。6Q6J,6Q6Kの双子と一緒に覚えておきたい素数
42手目終了時の両者の手札 く:(24468X)(残6枚) タ:(AAA44668TQQX)(残12枚)

43.く:D(Q)%
親が回ってきたはものの手札に奇数がないくじらさん。ドローするもQでパスを選択。

44.タ:4A
45.く:D(3)43
46.タ:6A
47.く:%
ペナルティの結果Aが3枚となったタカタ先生、ノータイムで4A。くじらさん、3をドローしてなんとか43を返す。偶数ばかりの手札に苦しんでいる様子。6Aを出したタカタ先生が再び親となる。

48.タ:4A
49.く:Q8=2^X|X=7
50.タ:D(A)QX|X=K
51.く:D(T)%
タカタ先生の出した4Aに対し、くじらさんが今大会初の合成数出しを決める。お互いにジョーカーを消費し、手番はタカタ先生へ。
51手目終了時の両者の手札 く:(46T)(残3枚) タ:(A68TQ)(残5枚)

52.タ:D(Q)TA
53.く:D(K)TK
54.タ:D(9)%
ドローするものの奇数が引けなかったタカタ先生、TAを出して再び手札の奇数が尽きる。くじらさん、KをドローしてTK。これは素数だ! タカタ先生はドローしてパス。

55.く:D(K)6K
56.タ:D(2)%
くじらさん、またもKをドロー。6Kを出す。タカタ先生、ドローに賭けるも実らず、パス。

57.く:D(3)43#
3連続で奇数をドローしてきたくじらさんが43を出して勝利。

講評

いやー長かった。途中2人の手札から奇数がなくなったときはどうなるかと思いましたがなんとか制限時間内に終わりました。実は偶数よりも奇数のほうが場に出やすいので2
周目の山札*6には奇数が多くなるため案外どうにかなったりするものです。
では今の数譜をまとめて見てみましょう。

く:(345669TJQKX)
タ:(2245568TJQK)
く:43
タ:TJ,P(JQ)
く:T59,P(A8K)
タ:D(9)T9
く:QK
タ:D(5)%
く:TA
タ:QK
く:%
タ:82J,P(6TT)
く:JK,P(33)
タ:2
く:3
タ:5
く:J
タ:D(8)%
く:59
タ:5J,P(9Q)
く:3
タ:5
く:D(J)J
タ:D(K)K
く:%
タ:829
く:%
タ:5
く:D(7)7
タ:J
く:D(7)K
タ:D(7)%
く:67
タ:T7
く:D(7)%
タ:D(8)TJ,P(2X)
く:D(4)7
タ:J
く:D(2)%
タ:D(3)823
く:D(4)%
タ:D(9)T9
く:%
タ:D(A)664A,P(AA4T)
く:D(Q)%
タ:4A
く:D(3)43
タ:6A
く:%
タ:4A
く:Q8=2^X|X=7
タ:D(A)QX|X=K
く:D(T)%
タ:D(Q)TA
く:D(K)TK
タ:D(9)%
く:D(K)6K
タ:D(2)%
く:D(3)43#

次回はこの試合の2本目です。この勝負で相手の実力がわかった2人。くじらさんがストレートで2回戦に進むのか、タカタ先生が巻き返すのか。はたして……

*1:グロタンカット・ラマヌジャン革命・単独ジョーカーで上がってよい。

*2:せきゅーん杯では手札が20枚以上になると失格となるルールがあった。

*3:ところで、ここで同数の場合はどうするのでしょう。実際に起こったことがないので存じ上げません。

*4:時間はタイムシフトにおけるこの勝負の放送時間です。https://live2.nicovideo.jp/watch/lv314662902

*5:逆は成り立ちません。たとえば.11は素数ですが2^{11}-1=2047=23 \times 89

*6:この勝負では42手目にペナルティが発生した時点で初期山札は2枚となっており、それ以降の山札から2周目に入ります。

素数大富豪用語集

素数大富豪に関する用語と、その簡単な説明をした用語集です。
素数大富豪の用語は「山札」「手札」「ドロー」など他のトランプゲームのものを流用したものが多いですが、中には素数大富豪独自の用語や、一般に通用しているのとは別の意味をもつ用語も存在します。ここではそのような多少注意を要する用語を中心に五十音順に紹介いたします。
※英数字を含む項目はその読みに従って配列します。たとえば「PrimeQK」は「ぷらいむきゅーけー」、「1001チェック」は「せんいちちぇっく」とみなします。
最終更新: 2021年6月1日

主にフランスで活躍した、ドイツ出身のユダヤ系フランス人の数学者(1928年3月28日~2014年11月13日)。数論や代数幾何学において多大な業績を残した20世紀を代表する数学者の1人である*1が、素数大富豪をプレーするには「57は素数の人」の認識で十分である

  • 1

素数でも合成数でもない唯一の正整数。ルール上(強弱を守っていれば)1を場に出すことは可能だが出した際には必ずペナルティとなる。素因数場における素因数や指数として1を出すことはできない。

  • ウイニングプライム

勝負が決した際に最後に出された素数のこと。優勝素数ともいう。

  • HNP

「Hello New Prime」の略。ネット上での対戦でプレーヤーが素数に出会ったときに使われる。素数大富豪トーナメント第1期HNP杯(2020年4月~7月)をきっかけに生まれた言葉。

(とくに通常のトランプを用いた、十進法での)素数大富豪において出すことのできない素数。非素数大富豪素数ともいう。最小は40009。

  • 絵札

一般にはジャック、クイーン、キングのことを指すが、素数大富豪においては10も絵札に含めることが多い。ジョーカーを含めることもある。

  • エマープ

一の位から読むと別の素数になるような素数。37と73など。

  • overKJQJ

4枚出しにおける最大の素数KJQJよりも大きな4枚出し合成数。略して「おばけ」とも*2

場にカードがない状態で手番をもつプレーヤーのこと。場に出す枚数を決められるので有利。素数大富豪では親をとる、とらせないことが重要視される。

  • カードカウンティング

場に流れたカードなど見えたカードを記憶して相手の手札や山札を推測する戦術。

  • 下位互換

並べ替えてより大きな素数が作れる場合、並べ替え前の小さい方の素数。たとえば4649は6449の下位互換。(←→上位互換)

一の位から読んでも同じ素数になるような素数。31013、1748471など。

ラマヌジャン革命の直後に出せる素数。1729未満の4桁素数が該当する。

  • カマトト

故意にペナルティを受けること。上がりからは遠ざかるが手札を一度に大量に補充することができ、戦略の幅を広げる効果がある。

  • 勘出し

素数である確証がないまま場にカードを出すこと。

  • 奇数

偶数でない整数のこと。一般には2で割り切れない整数を指すが、素数大富豪においては2でも5でも割り切れない整数をいうことが多い。

  • 「QK部 -1213-」

キグロ氏による、小説投稿サイト「カクヨム」で連載中の素数大富豪小説*3。主人公の女子高生が素数大富豪に出会い、素数大富豪を通して成長していく姿を描く。2020年3月、『QK部 トランプゲーム部の結成と挑戦』(KADOKAWA)として書籍化された*4

  • 91

7*13なので素数ではないが、素数と間違えられやすい。パッと見素数のひとつ。素数大富豪界隈では以前から「狐素数」と呼ばれてきたが、東京工業大学の加藤文元教授が自著『宇宙と宇宙をつなぐ数学 IUT理論の衝撃』において100までの素数のリストに間違えて91を載せてしまったことから「ブンゲン素数」と呼ばれることが多くなった*5

札幌杯無差別級の優勝者に与えられるタイトル。現在のQueen-Kingはカステラ。

  • 偶数

一般には2で割り切れる整数のことだが、素数大富豪においては5で割り切れる整数も偶数と呼ぶことが多い。

偶数のカードを多く用いる素数素数として出すのに偶数は一の位として使えないため、偶数が使われる素数素数大富豪プレーヤーに好まれる。8623、QQT3、2468TQAなど。

  • (手札を)組む

相手が何を出すかを想定して、その後さらに何を出すべきかを考えるなどして手札を編成すること。

  • グロタンカット

場に57を出すと場が強制的に流されること。大富豪の「8切り」に相当するルール。由来はグロタンディーク素数

  • グロタンチェンジ

場に57を出す前後でドローすることにより手番をもったまま手札を2枚補充するテクニック。

  • グロタンディーク素数

57のこと。数学者グロタンディークが素数についての一般論を講義した際に聴者から具体的な素数による説明を求められたところ、本来は素数でない57を挙げたという逸話に由来する。

場に合成数を出し、素因数場にその素因数分解を与える素数を出す出し方。指数表記が使用可能。

合成数出しを故意に間違えてペナルティを受けること。大量に山札を引いてKKJ·KJQJ超え合成数を手札に揃えることが主な目的。2019年頃から使うプレーヤーが出現した。素数大富豪のゲーム性に関わる特異なプレーのため、賛否両論があったが*6、2021年現在では上級者の必須テクニックになっている。

  • 5は偶数

一の位が5である整数は5の倍数のため、偶数と同様に5の倍数かどうかも容易に判定できることを表した表現。

語呂合わせのある素数。443(しじみ)、593(コックさん)、877(バナナ)、4649(よろしく)など。ちなみに4435938774649(しじみコックさんバナナよろしく)も素数

素数に対して語呂合わせを作る人。

  • 札幌杯

2020年2月に札幌で開催された素数大富豪大会。もりしー氏が主催した。無差別級(全プレーヤー対象)とライト級(初~中級者対象)の2階級で争われ、無差別級はカステラ(タイトル: Queen-King)、ライト級ははち氏(タイトル: Jack)が優勝した。

  • 3の倍数

3の倍数かどうかは各位の和が3の倍数かどうかで判定できる。

(10n+1,10n+7,100n+11,100n+13)(nは正整数)がすべて素数であるような組。(31,37,311,313),(9181,9187,91811,91813)など。(共通の数)+(A,7,J,K)という形のため素数を一挙に4つ覚えることができ、素数大富豪プレーヤーに重宝される。

  • 指数表記出し

合成数出しにおいて、冪乗を使って素因数分解を表現すること。たとえば場に8を出す場合、素因数場に2、3を出して8=2^3として出せる。おのりん氏が考案し、2016年12月に公式ルールに追加された。

  • Jack

札幌杯ライト級の優勝者に与えられるタイトル。現在のJackははち氏。

インドの数学者(1887年12月22日~1920年4月26日)。直感的かつ天才的な閃きにより数々の業績をあげ「インドの魔術師」の異名をもつ*7ラマヌジャン革命の1729は彼のタクシー数の逸話に由来する。

  • 上位互換

並べ替えてより大きな素数が作れる場合、その大きい方の素数。たとえば6449は4649の上位互換。(←→下位互換)

  • ジョーカー

トランプ1組に2枚存在する。ジョーカー単独では13(革命時は2)より強いものとして扱い、場に出すと場が強制的に流れる。他のカードと同時に出すとワイルドカードとして0~13の任意の数の代わりとして扱う。

  • シンキングタイム

カードが配られたあと、ゲームが始まる前に手札を見て作戦を練る時間のこと。時間は1分であることが多い。

  • 数譜

素数大富豪のゲーム経過を記したもの。

  • せきゅーん杯

素数大富豪考案者のせきゅーん氏が主催する素数大富豪大会。優勝者には「素数王」のタイトルが与えられる。

  • 1001チェック

1001=7*11*13であることを利用して1001の倍数を加減することで7,11,13の倍数を判定するテクニック。

  • 全出し

手札すべてを一度に場に出すこと。

  • 素因数場

合成数出しの際に素因数を出す場所。素因数同士には間隔をあけ、冪乗の指数は(通常用いられるように)底の右肩に重ねるのが望ましい。

せきゅーん杯の優勝者に与えられるタイトル。現在の素数王(第1期)はカステラ。

  • 素数大富豪オンライン

オンラインで素数大富豪がプレーできるサイト*8。開発はpermil氏。一部の素数大富豪大会は素数大富豪オンライン上で行われる。

素数大富豪に関する研究成果を発表する場*9。2018年発足。同年9月に第1回の研究会が札幌(北海道大学)で、2019年12月に第2回が東京(東洋大学)で開催された。

nishimura氏が開発した素数大富豪のcpu対戦ができるサイト*10

素数大富豪において出すことのできる素数。ルール上素数は無制限に出せることになっているが、数字ごとに枚数の上限があることからこのような概念がある。たとえば40009は最小の素数大富豪素数でない素数(非素数大富豪素数エデンの園素数)。

  • 素数大富豪で遊ぼう会

素数大富豪をしたい人が集まって素数大富豪をするイベント。主に札幌で月に1,2回の頻度で開催される。2017年より二世氏が幹事となって運営され、2018年からもりしー氏が幹事を引き継いでいる。また、2019年5月より関東(東京)でも「素数大富豪で遊ぼう会in関東」と称して類似のイベントが開催されている。

  • 素数大富豪トーナメント

素数大富豪オンライン上で行われる素数大富豪大会。初の大会となる第1期蝉王戦(2019年7月~10月)ではnishimura氏が優勝した。以降、第1期雪華流星戦(2019年12月~2020年4月)ではマモ氏が、第1期HNP杯(2020年4月~7月)・第2期蝉王戦(2020年7月~11月)ではカステラが、第2期雪華流星戦(2020年11月~2021年4月)ではマリン氏がそれぞれ優勝した。

2021年1月1日に設立された素数大富豪の普及に向けた活動を行う組織*11

素数大富豪をより気軽に遊べるように設計されたアレンジ版*12。専用のカードを用いる。制作は梟老堂。

素因数場にカードを出さず場にだけカードを出す出し方。いわゆる普通の出し方。

与えられた正整数が素数かどうかを判定するアプリ。素数大富豪プレーヤーの必需品。

素数が書かれたTシャツ。プレーヤーおよび素数判定員は素数Tシャツを着用してはならないことが公式ルールによって定められている。

出されたカードが正しく出されたものかどうかを判定する人。大会ではプレーヤーと別に設けられるが、プレーヤーが素数判定員を兼任してもよい。

数学の言語を用いて定義された素数大富豪のこと。

  • 詰んでるセット

三重積氏が提唱したカードの組み合わせ*13。A,3,7,9,J,Kのいずれかが含まれていて手札の和が3の倍数にならず、どう並べ替えても素数を作れないもの。(9,Q,K)や(5,8,T,J)など。

  • 詰んデレセット

素数を作れる並べ方が1つしか存在しないカードの組み合わせ。(2,4,5,J)(素数になるのは254Jのみ)など。

  • 出会い系

新しい素数に出会うことを目指して勘出しするプレーヤーのこと。

「b進法」といったときのbのこと。bが変わればカードが表す数も変わる(例: TKはb=10なら1013だがb=2では10101101_{(2)}=173_{(10)}である)。通常はb=10。

トランプの10のこと。「Ten」の頭文字から。数譜の他、口頭でも用いられる。

  • 二刀流戦法

相手が普通に返したとき・カマトトしたときの両方に対応できるように手札を組むこと。たとえば手札(A344688JJQK)から886Aを出せば、相手が4枚出しを返したらKJQJ→443、カマトトしたら443KJQJと出して勝てる。

カードを素数として出す場所。素因数場とは本来区別されるべきだが、しばしば混同されて素因数場も含めて場と呼ぶことがある。

  • 88888883

ネット上で拍手を表す888(8の個数は任意)の素数大富豪版。もちろん素数である。一の位以外のすべての桁が8である素数は他にも存在する*14が、88888883はエデンの園素数では最小のものであるためもっともよく使われる。

鰺坂もっちょ氏が提唱した整数の分類*15。「パッと見で素数にみえちゃう数」のこと。91など。

  • PrimeQK

素数大富豪の英語名。2019年12月の素数大富豪研究会の懇親会で決定した。

  • ペナルティ

素数判定員によって出されたカードが正しく出されていなかったと判定されたときに課される。出した手札をすべて戻したうえで山札から出した枚数分引く。

  • 枚数制限

最大何枚出しまで可能かの制限。通常は無制限。

  • マスパーティ杯

2019年10月、Mathpowerが開催されないことにより企画された数学の楽しみ方の見本市「マスパーティ」*16において行われた素数大富豪大会、およびその大会の優勝者に与えられるタイトル。一般の部とジュニアの部(18歳以下)の2部門で争われ、それぞれもりしー氏とtatyam氏が優勝した。

  • Mathpower杯

株式会社すうがくぶんか・和から株式会社・アスキードワンゴ主催の数学の祭典「Mathpower」で開催される素数大富豪大会、およびその大会の優勝者に与えられるタイトル。現在のMathpower杯(第3期・2018年)はもりしー氏。

  • マスプライム杯

Mathpower杯・マスパーティ杯の流れを汲んで2020年に開始された素数大富豪大会*17。現在のマスプライム杯(2020年)はもりしー氏。

  • (山札を)回す

カマトトを繰り返して山札を減らし、流れたカードを再び山札から引くことを目指す行為。相手のカードカウンティングを妨害するなどの効果がある。

(p,p+2,p+6,p+8)がすべて素数であるような組。(101,103,107,109),(821,823,827,829)など。(5,7,11,13)を除く四つ子素数は(10n+1,10n+3,10n+7,10n+9)の形となり一の位以外は共通のためそこを覚えれば素数を一挙に4つ覚えることができ、素数大富豪プレーヤーに重宝される。

場に1729を出すと強弱が逆転し、小さい素数が強くなるようになること。由来はラマヌジャンのタクシー数。菅原響生氏が考案し、2016年12月に公式ルールに追加された。

カードを等差数列のように並べて最後に奇数をおいてできる素数。4567、8642J、23456789、2468TQAなど。

  • ワンサイドキル

相手に1枚も手札を出させないで勝利すること。

  • ワンターンキル

1ターンで勝利すること。一発上がりともいう。


次回からいよいよMathpower杯の解説です。お楽しみに!

*1:出典: アレクサンドル・グロタンディーク - Wikipedia

*2:使用例: おばけの部屋

*3:kakuyomu.jp

*4:www.kadokawa.co.jp

*5:なお「ブンゲン素数」は加藤教授ご本人も公認している名称である。

*6:せきゅーん氏による合成数出しの規則の変更が提案されている。integers.hatenablog.com

*7:出典: シュリニヴァーサ・ラマヌジャン - Wikipedia

*8:permil.net

*9:sig-prime-d.localinfo.jp

*10:素数大富豪TOPhttp://searial.web.fc2.com/tools/sosutop.html

*11:primeqk.themedia.jp

*12:fukuroudou.info

*13:triprod1829.hatenablog.com

*14:そのような素数がまとめて見られるサイトを以下に挙げる: Factorization of 88...881 Factorization of 88...883 Factorization of 88...887 Factorization of 88...889

*15:www.ajimatics.com

*16:マスパーティ公式ホームページmathparty.localinfo.jp

*17:大会ホームページ: mathp-cup.localinfo.jp

解説のてびき

これから記事を書くにあたって、いくつかこのブログに関する注意をしておこうと思います。

まず、このブログの読者には素数大富豪の公式ルールを仮定します。わからなくなった場合は鰺坂もっちょ氏による以下の記事を参照するのがよいかと思います。
www.ajimatics.com
公式ルールは素数大富豪の考案者であるせきゅーん氏が書いたものがありますが本人もおっしゃっているように分かりやすくは書かれていません
integers.hatenablog.com
さらに洗練された「抽象的素数大富豪」もありますが、大学初年程度の集合と写像の知識が仮定されています。
integers.hatenablog.com


そして、素数大富豪のプレー経過を記述するのにこのブログでは「標準的数譜」を用います。主な約束を箇条書きで簡単に述べると

  • プレーヤーを表す記号(プレーヤー名の頭文字を採ることが多い)を決め、プレーヤー記号とする。
  • カード1枚を1文字で表す。「エース」は「A」、「10」は「T」、「ジャック」は「J」、「クイーン」は「Q」、「キング」は「K」、「ジョーカー」は「X」。
  • 革命時は「[R]」と書く。
  • ドローは「D({ドローしたカード})」と書く。
  • 合成数出しは「{場に出したカード}={素因数場に出したカード}」と書く。積は「*」、冪乗は「^」で表す(例: KQ=2^5*4A)。
  • ジョーカーをワイルドカードとして使用した場合は「|X={ジョーカーが担ったカード}」と書く(例: KQ=2^5*4X|X=A)。
  • グロタンカットは「[GC]」、ラマヌジャン革命は「[RR]」、単独ジョーカーは「[IN]」と書く。
  • ペナルティは「P({引いたカード})」と書く。
  • 上がりは「#」と書く。

詳しくはこちらからダウンロードできます。
https://www.dropbox.com/s/m4rx501tm8d28hz/%E6%A8%99%E6%BA%96%E7%9A%84%E6%95%B0%E8%AD%9C_20181004.pdf?dl=0


Mathpower杯の解説に入る前にもう1つ記事を書く予定です。

ごあいさつ

こんにちは。カステラと申します。

去る10月7日に数学の祭典「Mathpower」で開催された素数大富豪大会は大いに盛り上がりましたね*1。今回は参加者のレベルが以前に比べて飛躍的に上昇しており、実況も追いつかないようなプレーがたくさんありました。そこで大会が終わった今、改めて解説を施した「観戦記」があったらいいな、と思いました。ということで、このたびの素数大富豪大会で準優勝の私・カステラが観戦記を書きます。そして観戦記を載せるためここにブログ「初代素数王の備忘録」を開設いたします*2

ブログ「初代素数王の備忘録」では主にもっと素数大富豪に強くなりたい人や、素数大富豪観戦をより楽しみたい「見る」専門の人を対象に、大会試合の解説や素数大富豪の戦術などをお伝えできればと思います。しばらくは先述の大会についての解説をするつもりです。

それでは今後ともよろしくお願いいたします。

2018年10月19日*3

*1:まだ見ていない方はこちらからタイムシフトでご覧になれます。12:20:21~18:58:53 https://live2.nicovideo.jp/watch/lv314662902

*2:素数王」というのは今年1月に開催された第1回せきゅーん杯で優勝した際に戴いたタイトルです。自ら素数"王"と名乗るのは憚られる部分もありますが、初代素数王であることが私の特徴付けになっていること、および先日の大会でも「素数王のカステラです」と名乗っていることからブログのタイトルに付けることにしました。

*3:20181019素数